ゴルフでも出た五輪レコード 首位浮上スイスの27歳は姉に続くオリンピアン
◇パリ五輪 女子 2日目(8日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72) 【画像】性能は? 男子ツアーで「ディナリ」シャフトを発見 モルガン・メトロー(スイス)が“オリンピックレコード”となるハーフ「28」の猛チャージを見せ、通算8アンダーで単独首位に浮上した。 3位スタートの前半が圧巻。1番をバーディで滑り出すと、3番(パー5)では250yd超のセカンドをピンまで5.5mに乗せてイーグルを奪った。さらに4番から、いずれもショットを絡めて3連続バーディ。9番(パー5)でも2オンに成功してフロントナイン2個目のイーグルと離れ業を演じた。
全体2組目のプレーはグリーンの転がりも素直で、風のない穏やかなコンディションにも恵まれた。米ツアーでは昨季「ウォルマートNWアーカンソー選手権」初日にマークしたハーフ「30」が自己ベスト。2020年にスイスのプロツアーで11アンダー(18ホール)を出したこともあるというが、会心の9ホールに声も弾む。「滅多にないこと。アイアンゲーム、セカンドショットが良かった。ショートからミドルレンジのパットもカップに沈んでくれた」 一転してバックナインでは「38」と2つスコアを落とした。浮島グリーンの最終18番(パー5)も2オンを狙って池に落とし、ボギーフィニッシュ。「グリーンは大きいし、(セカンドは)アイアンを持っていた。レイアップする気は全くなかった。少し左に低く出て、枕木に当たってしまった。(前半と後半で)それほど大きな差ではないけれど、スコアなんてすぐに変わってしまうの」と振り返る。
出場できるポジションにいた2021年の東京五輪は代表入りを辞退。当時は米下部ツアーでプレーしており、米ツアー昇格争いに専念するためだった。空いたスポットには欧州女子ツアーで戦う姉のキム・メトローが滑り込んだ。「もし誰かが私のポジションを取れるとしたら、姉になることを願っていた。それがかなってうれしかった。帰ってきた時、姉の目には星が輝いていたわ。オリンピックの経験をとても喜んでいたの」とほほ笑む。
フランス語圏のスイス・ローザンヌ出身。慣れ親しんだ言葉が飛び交うパリで、3年前の姉を上回る興奮を味わっている。「スイス国旗を見たり、みんな私の名前を叫んだりするのは楽しい。国のためにいいプレーをしたいわ」。米ツアー未勝利の27歳が、金メダルに最も近い位置で後半戦を迎える。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)