BBQで18歳が焼死した専門学校 新理事長に長男(33)が就任 ”ワンマン経営”指摘の報告書からわずか4日
去年5月、生徒4人がバーベキューの火で死傷する事故が起きた福岡県柳川市の美容専門学校で、辞任した理事長の後任に長男が就任したことが分かった。 【写真で見る】事故が起きた「ハリウッドワールド美容専門学校」バーベキュー会場 事故をめぐっては第三者委員会が、要因のひとつに“ワンマン経営”をあげ「経営体制の抜本的な刷新が必要」と指摘していた。 保護者からは、「家族経営は変わらず、本質的に何も変わらないのではないか」と諦めに近い声があがっている。 ■理事長の発案でコンロにアルコール1リットル投入 去年5月24日、福岡県柳川市にある「ハリウッドワールド美容専門学校」で痛ましい死傷事故が起きた。 全校生徒が参加したバーベキュー大会で、20代の男性職員が火の炭が入ったコンロの火力を上げるため、約1リットルにのぼるアルコールを注いだことで爆発的に炎上。 近くにいた生徒4人に燃え移り、当時18歳の男子生徒が死亡、3人が全治1週間から3か月ほどのやけどを負った。 ■調査報告書「理事長に誰も意見できなかった」 この事故をめぐって先週7月4日、有識者で作る第三者委員会が報告書を公表した。 その中で古賀英次理事長が行ったコンロにアルコールを投入するという「非常識な発案」に対し、多くの職員が危険を感じていたものの、長い間続いてきた“ワンマン経営”のため誰も意見できなかったと厳しく批判。 さらに、遅刻した職員に退職届を書くよう求めたり、大声で怒鳴ったりするなど、日常的にパワハラ行為を行っていた可能性も指摘された。 ■理事長の後任に長男 第三者委員会の報告書などを受けて、古賀理事長は辞任を表明。その後の経営体制が注目されていたが、7月8日、新たな理事長に長男の古賀大観氏(33)が就任したことが明らかになった。 長男の古賀大観氏はこれまで副理事長を務めていた。 学校は翌9日、保護者宛に通知文を送付。理事会で古賀大観氏の理事長就任が承認されたことを伝えた。 通知文では「2度と同じような事故を起こさないよう、再発防止策を実行していく」としているが、生徒の保護者からは「本質的に何も変わらないのではないか」と諦めに近い声もあがっている。