投資信託を始めました。目論見書の投資形態の欄にある「ファミリーファンド」や「ファンドオブファンズ」っていったい何ですか?
投資信託の目論見書の投資形態の欄を見ると「ファミリーファンド」と書かれているものがあります。また別の投資信託の目論見書の投資形態には「ファンドオブファンズ」と書かれています。どのように違うのでしょうか?
ファミリーファンドって?
投資形態がファミリーファンドと書かれている場合、その投資信託の中身は「ベビーファンド」と「マザーファンド」に分かれています。そして、投資家が実際に投資するのは「ベビーファンド」です。 以下、一例を見てみましょう。 例えば、ある運用会社で「先進国株式」という投資信託と、同じ運用会社で「日本株式」という投資信託が、それぞれあったとしましょう。この場合、「先進国株式」と「日本株式」は、どちらもベビーファンドです。 そして同じ運用会社に「日本株マザーファンド」があったとします。「先進国株式」で集めた投資資金の一部と、「日本株式」で集めた投資資金のすべてを「日本株マザーファンド」に投じます。 同じ運用会社の中で、複数のベビーファンドがあったとしても、同じ投資対象・同じ投資方針であれば、まとめて1つのマザーファンドに投じます。一つひとつの投資信託(ファンド)が、個々に投じるよりも効率良く投資できます。 なお、ベビーファンドとマザーファンドは同じ運用会社ですので、ベビーファンドとマザーファンドの間には手数料等のコストが生じることはありません。
ファンドオブファンズって?
ファンドオブファンズとは、投資信託によって集めた投資資金を、複数の「別の投資信託」に投資する投資信託を指します。この場合「別の投資信託」は「(投資した投資信託とは)別の運用会社の投資信託」のことが多いです。「別の投資信託」は、一般の人が投資することができない、適格機関投資家向けといわれるプロ専用の投資信託のこともあります。 例えば、ある運用会社で「先進国株式」という投資信託があったとしましょう。お客さまが投資するのは「先進国株式」です。そして別の運用会社に「適格機関投資家向け日本株ファンド」があったとします。「先進国株式」で集めた投資資金の一部を別の運用会社の「適格機関投資家専用日本株ファンド」に投じるのです。 この場合、「先進国株式」の運用会社と「適格機関投資家専用日本株ファンド」の運用会社は異なります。違う運用会社ですので、「先進国株式」に投資したお客さまは「先進国株式」はもちろん、「適格機関投資家専用日本株ファンド」のコスト(信託報酬)も負担することになります。
まとめに代えて
ファミリーファンドという投資信託の形態と、ファンドオブファンズという投資信託の形態のどちらが優れているのかという質問に答えることはできません。また、投資信託を選ぶにあたり、形態だけが選択肢ではありません。形態の違いはもちろん、これまでの運用実績や投資方針など、目論見書をじっくりと読み込んだ上で、投資信託を選ぶべきでしょう。 執筆者:大泉稔 株式会社fpANSWER代表取締役
ファイナンシャルフィールド編集部