【40代・50代の漢方養生】咳やのどのつまり、疲れ、シミが気になったA子さんを公開漢方カウンセリング!進め方と結果は?
「最後に『舌診(ぜっしん)』と『腹診(ふくしん)』で診断します。カウンセリング中に『舌診(ぜっしん)』(漢方では舌をみることで心身の様子がわかる)もしました。 A子さんはサービス精神旺盛で大きく口をあけて、舌をべーっと皆さんにむけて出してくれました。舌の裏も血液の滞りをみるために大切で、裏もしっかり見せてくれました。 そして、座ったままでもできる『腹診(ふくしん)』<日本漢方でよく用いられる身体の見方>も。これは私が触らせていただきました。 A子さんの漢方カウンセリングは30分くらいで終わりました」
30分の漢方カウンセリングで見えてきたA子さんの問題点。
「参加者のみなさんからの質問にも、A子さんは真摯にこたえてくださり、このようなことがわかりました。 主訴(いちばん気になる症状)は痰や咳、のどのつまりとのことでしたが、そのほかに気になる点があります」 《主訴以外の気になる点》 ・夕食をつくっていると、食べたくなくなることがあり、そのまま食べないこともある。 ・毎日ではないが、夜10:00くらいに寝て朝7:00くらいに起きるが疲れが抜けない。 ・休みの日はだらだらしてることが多い。 ・ストレスは会社の上司(でも、仕方ない)。 ・お顔のシミが濃くなってきたのが気になる。 《舌診では》 薄紫色の苔があり、震えている。 出し方に力がない。 →漢方的には気の不足や滞り、疲れなどを意味する。 舌の裏をみると、舌下静脈がぷっくり盛り上がっている。 →漢方的には瘀血(血液の滞り)を意味する。
《腹診では》 みぞおちあたりに圧痛があり、気の流れ滞りと胃腸の疲れがある。
お腹の下のところに力がない。 →小腹不仁(しょうふくふじん)といい、気の不足や老化を意味する。
A子さんの体は、胃腸の弱りとともに気が滞り、また足りなくなっている状態
「このようなことからA子さんは【胃腸の弱りとともに、気が滞り、また足りなくなっている状態】と考えられると判断しました。 喉の違和感は漢方では<梅核気(ばいかくき)>といい、まるで、梅の種(核)が詰まったような気がすることからそのように言われます。 これは『気滞』という症状。気がうまく流れなくなり、喉のあたりにとどまっているイメージ。痰がともなうこともあります。これは風邪ではなく、身体の中の『水』も動かなくなり、うまくさばけなくなっているためになる場合があります。 夕食を食べなくてもいいこともあったり、長く寝てはいても、疲れが抜けない。休日もあまり出かけたくない。肩こり、頭痛もあり、会社でのストレスもある。 A子さんには、血液が滞っている『瘀血』もあるため、肩こりやシミが濃くなることもあるのだけれど、それの大元になっているのは『気虚』と『気滞』。要するに気が足りなくなりうまく巡らないのが原因なのですよ、とお話ししたら顔がパァーと明るくなって 『やっぱりそうなんだー。納得です』と。 『気が足りないから、やりたいこともできず、ぐずぐずしてるんだ、本当は以前やっていたヨガをまたはじめたいと思っていたんですよ、でもできなくて…。なんか、そんな自分がだめだと思って…』と、おっしゃっていました」