ISSとドッキングした「シグナス」 進むアメリカ企業の宇宙開発
12日夜、宇宙ステーション補給船「シグナス」が、国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングしました。その際、ロボットアームの操作をISSに滞在中の若田光一宇宙飛行士が担当したことで日本でもニュースに。この補給船、実はNASAのものではなく、民間企業が送り出した商業輸送機なのです。 「シグナス」は、人工衛星の製造や打ち上げを行っているアメリカの企業「オービタル・サイエンシズ社(OSC)」が開発した無人補給船です。NASAは民間企業と宇宙輸送を行う契約を結んでいます。 民間企業が宇宙ステーションに荷物を運ぶって? 日本ではにわかに想像できませんね。しかし、オービタル・サイエンシズ社は、このNASAとの契約に基づいて、打ち上げからミッション終了までの運用までをも請け負っているのです。今回のシグナスの打ち上げも同社が開発した「アンタレスロケット」で打ち上げられました。 民間企業による宇宙ステーション補給機としては、アメリカのSpaceX社の「ドラゴン」に続くもので、商業輸送を担う会社としては2社目となります。 ながらく国際宇宙ステーションへの物資の輸送を行ってきたスペースシャトルは2011年に退役。代わりの手段として、荷物の輸送を民間企業に任せることで、コストを安くでき、効率的に運用できるとNASAは考えているのです。 (監修:アストロアーツ)