不動産の共同所有はやめておけ…亡き妻の「姉」と共有名義人になってしまった男性。共有関係を“イチ抜け”するには?【行政書士が回答】
亡き妻から「実家の共有持分」を相続したことで、亡妻の姉(=義姉)と不動産を共同所有することになった相談者。専門家の多くは、「不動産の共有」はたとえ兄弟姉妹どうしであっても非推奨としています。相談者が共有関係を離脱・解消するには、どうすればよいのでしょうか? 不動産取引関連書の著者であり、実務にも詳しい行政書士・平田康人氏が解説します。
亡妻から「実家」を相続したが…義姉との共有状態を解消したい
--------------------------------------------------- 【相談】 2年前に妻が亡くなり、妻が所有していた「妻の実家の共有持分(2分の1)」を私が相続しました。もともと妻の実家は、妻の母親から妻とその姉が2分の1ずつ共同相続したものでした。妻の実家は現在、空き家となっています。 義姉家族とは普段から付き合いがなく、義姉と私にはそれぞれ子どもがいることから、共有物の管理や処分を巡って揉めたり、将来新たな相続が起きたときに権利がさらに細分化されたりすることのないよう、今のうちに共有状態を解消することを考えています。共有名義不動産の共有関係を解消するには、どのような方法があるのでしょうか? --------------------------------------------------- 《回答》共有解消・離脱する方法としては「売買」「交換」「贈与」「放棄」など 共有とは、複数人が共同して1つの物の所有権を有する状態のことをいいます。各共有者は、共有物の全部について所有権を有していて、各共有者が有する共有物に対する所有権を「共有持分」といいます。共有持分は所有権なので、各共有者は、共有物全体を共有持分に応じて使用することができますし、各自の共有持分を自由に処分することもできます。 ただし、共有物全体については、各共有者が他の共有者と同じように権利を持っていることから、各共有者が「何でも」自由にできるわけではなく、共有物に対する行為の内容によって、共有者間の意思決定の方法が民法で定められています。具体的には、共有物に与える影響の大きさを勘案して、共有物に対する行為の内容を「変更行為」「管理行為」「保存行為」の3つに定めて、各共有者が単独で行えるのか、もしくは共有者全員の同意が必要なのかなどが規定されています。言い換えれば、これらの規制が、「不動産は共有名義にしないほうがよい」と言われる所以です。
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