【シニア層の住民税非課税世帯の割合は38.1%】一方で厚生年金を「月額30万円」受給する人も。現役時代の年収はいくらあったのか?
2024年度の公的年金は前年度比2.7%の増額改定となっており、6月振込分より改定分が支給されています。しかし、厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老齢年金による収入だけで生活できる高齢者世帯は41.7%と半数に満たないのが現状です。 ◆この記事の写真を見る 老後の年金受給額は現役世代の働き方などにより個々で異なり、住民税が非課税になる人もいれば、月額30万円以上もの高額を受給する人も。 このような高額受給者は、現役時代にいくらの年収があったのでしょうか。 本記事では、老後生活を支える厚生年金と国民年金の受給額や、「月額30万円」を受給する人の現役時代の年収をご紹介していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金制度の仕組みを確認!「厚生年金と国民年金」とは?
まずは、公的年金制度の仕組みを押さえてから、年金受給額について確認していきましょう。 日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2つから構成されており、2階建ての構造になっています。 そのため、「国民年金のみ受給の人」と「国民年金と厚生年金の両方を受給する人」に分かれます。 ●国民年金(1階部分)を受給できる人 1階部分にあたる国民年金には、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が原則加入します。 国民年金では、収入の有無に関わらず、60歳に到達するまでの40年間(480ヶ月)、国民年金保険料を納めることになります。 国民年金の保険料は年度ごとに改定されており、2024年度は月額1万6980円となっています。 ただし、会社員といった第2号被保険者は後述する厚生年金保険料に国民年金保険料も含まれており、専業主婦などが対象の第3号被保険者は保険料を支払う必要がありません。 そのため、国民年金保険料を単独で支払う必要があるのは、自営業やフリーランスなどの第1号被保険者のみです。 仮に40年間未納なく保険料を納付し続けた場合は、老後に満額の国民年金(2024年度は6万8000円)を受給できます。 ●厚生年金(2階部分)を受給できる人 会社員や公務員などの第2号被保険者は、2階部分である厚生年金にも加入するため、老後に受け取れる年金も「国民年金+厚生年金」の両方が受給可能です。 厚生年金の保険料は、給与や賞与などの報酬に応じて決まるため、個人差が大きいのが特徴となっています。 国民年金と厚生年金では保険料や年金額が異なるため、加入状況によって年金水準が大きく変わります。 たとえば、国民年金のみの加入であれば、満額が6万8000円であることから、満額以上となる「月額30万円以上」の年金収入は目指せません。 また、厚生年金に加入している人であっても、現役時代の収入によって個人差が大きいため、誰もが多くの年金を受け取れるとは限らないでしょう。 次章では、現在のシニア世代の厚生年金の受給額を見ていきます。