ハリー王子&メーガン妃の新サイトに批判殺到…その理由とは?
「ロイヤル・キャリア」はなかったことに
ドメインから「Royal」を消したことに疑問は残るが、「紋章」の使用を見る限り「やはり王室メンバーであることが『最大の売り』なのだと腹をくくった」という解釈もできる。しかし、サイトの内容を見てみる、そうとも言えないのだ。 ハリー王子およびメーガン妃のプロフィールについて、ハリー王子は軍歴、慈善活動、回顧録『スペア』の出版については触れられているものの、イギリス王室に生まれ、王位継承順位5位の「王子」であることについての記載はない。 メーガン妃も同様だ。説明の大部分を「フェミニストで人権とジェンダー平等の擁護者」としての役割に重点を置いている。俳優業の経歴には触れているものの、2018年にハリー王子と結婚したこと以外、「王室とのつながり」について一切触れていない。 不自然なほど「ロイヤルの背景」を消し去ったプロフィール。多くの人が違和感を持つのは当然である。
でも子どもたちは「プリンス」と「プリンセス」
もう1つ注目される点は、息子と娘のタイトル(称号)についてである。ハリー王子とメーガン妃、両者共プロフィールの最後に「2人の子どもたち、アーチー“王子”とリリベット“王女”と共にカリフォルニアで暮らしている」と記載している。 アーチー王子とリリベット王女は誕生時には「王子」「王女」のタイトルはなく、この点についてハリー王子とメーガン妃が不満に思っていることは、2021年3月に放送されたオプラ・ウィンフリーによる夫妻へのインタビューでも語られている。 その後2022年9月にエリザベス女王が死去し、ハリー王子の子どもたちは「現国王の孫」となったため、希望すれば「王子」「王女」のタイトルを与えられることとなった。ハリー王子とメーガン妃は2023年3月、リリベット王女の洗礼式を機に子どもたちに「王子」「王女」のタイトルを使用しはじめ、またイギリス王室も公式サイトを更新し、正式に2人を「アーチー王子」「リリベット王女」として紹介している。 つまりハリー王子とメーガン妃はかねてからの希望通り、息子と娘を「王子」「王女」にすることが出来たのであり、これは彼らによってはヴィクトリー(勝利)であった。 このような経緯があるため、新サイトでもあえて「王子」「王女」と記載したかったことは理解できる。とは言え、サイト全体を見渡したとき、「王室メンバーであること」を強調したいのか、そうでないのか、どちらなのかよく分からないという「モヤモヤ感」が漂うのも事実だろう。
「結局どうしたい?」2人の悩ましい状況
世界中にファンも多いが、2020年以来、常に批判にもさらされているハリー王子とメーガン妃。本人たちは「ロイヤルの後光にしがみつきたくない」ものの、それが現在のところ「最大の売り」であることは周知の事実。 今回ドメインネームを変えてまで自分たちのブランドを刷新するための新サイトを立ち上げたのだが、結局「ロイヤルでいたいの?」「いたくないの?」がよく分からないため、多くの人に違和感を与える結果となった。 本人たちも「どうするのがベスト」なのか考えあぐねているのだろうが、今度どちらかに振り切れるのか?――2人の動向が注目される。
文:宮田華子