【スプリンターズS】ロードカナロアが「1.3倍」で連覇達成、過去には「257.5倍」の一撃も 秋の短距離王決定戦を「記録」で振り返る
名スプリンターは名種牡馬に
今週はスプリンターズSが開催される。古くはタケシバオーやブロケード、ダイナアクトレスやダイイチルビーといった伝説の名馬が勝利を挙げたレース。近年もグランアレグリアやタワーオブロンドンといったスピード自慢の実力派が勝利している。 【神戸新聞杯2024 推奨馬】回収率100%超えなど好データ目白押し!前走タイムは歴代屈指 SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) ここをステップとして香港に挑む馬も多く、海外遠征の観点でも見逃せない一戦だ。今回は1986年以降に行われたスプリンターズSを記録で振り返る。 波乱と平穏決着、どちらも見られるスプリンターズS。過去、最も人気を集めて勝利した馬はロードカナロアである。 1997年の勝ち馬タイキシャトルが単勝1.9倍、1994年の勝ち馬サクラバクシンオーが単勝1.6倍。ロードカナロアは2013年に単勝1.3倍で勝利を挙げ、レジェンドスプリンターたちの記録を抜いた。ちなみに、単勝1倍台でスプリンターズSを制した馬はこの3頭のみ。この3頭は種牡馬としても活躍を収めたことでも知られている。 タイキシャトルはダート短距離王者のメイショウボーラーやNHKマイルC勝ち馬ウインクリューガーを出し、サクラバクシンオーはグランプリボスやビッグアーサー、ショウナンカンプといったGⅠ馬を輩出した。母父としても、タイキシャトルはダービー馬ワンアンドオンリーを、サクラバクシンオーは年度代表馬キタサンブラックを輩出しており、その活躍はスプリント界に留まらない。 ロードカナロアはデビュー4戦目から5連勝したものの、GⅠ初挑戦となった高松宮記念では同厩舎のカレンチャンに敗北。そこから惜敗が3戦続いたが、秋のスプリンターズSで復活の勝利をあげ、晴れてGⅠ馬の仲間入りを果たした。 ロードカナロアのGⅠ初勝利時の単勝オッズは4.4倍だったが、その後は香港スプリントでの歴史的勝利をはじめ、翌年の高松宮記念でのリベンジ達成やマイル挑戦となった安田記念を制するなど実績をあげ続けたことで、連覇がかかる2013年スプリンターズSでは単勝1.3倍というファンからの圧倒的な信頼を得ていた。 引退後は種牡馬として大活躍中。歴史的名牝アーモンドアイをはじめ、ダノンスマッシュやダノンスコーピオン、ファストフォースやブレイディヴェーグらを輩出し、さらに今年の春には、大阪杯でベラジオオペラがGⅠ馬の仲間入りを果たした。まさに歴史的な名馬として、これからもその名を残し続けることだろう。 ちなみに、勝ち負けを度外視すると、1986年以降のスプリンターズSで最も人気を集めたのは1998年のタイキシャトル(1.1倍)。前年王者として臨んだ引退レースだったが、3着に敗れている。それでも、1着はマイネルラヴで2着もシーキングザパール。この2頭も引退後には父や母として活躍を収めた。特に母父マイネルラヴのドリームバレンチノは2012年の函館スプリントSでロードカナロアを撃破している。