ECB、次回の利下げに柔軟な姿勢保つべき=オランダ中銀総裁
David Milliken [ワシントン 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダの中銀総裁は26日、今後の金利変更について、選択肢を残しておくべきと述べ、12月の利下げは既定路線との市場の見方をけん制した。 中央銀行関係者やエコノミスト、民間金融機関幹部らで作る有識者団体G30の会合で述べた。 「あらゆる選択肢を残しておくことが重要だ」とし、成長とインフレの見通しに対する上振れと下振れのどちらのリスクが顕在化しても、完全な選択肢を残しておくことで対応が可能になると指摘した。 「われわれは会合ごとにデータに基づいて判断するアプローチがうまく機能していると信じている」と語った。 市場の利下げ期待に関する質問に対して、弱い購買担当者景気指数(PMI)と消費指標を受けて、「かなり劇的に」期待が高まったとの見方を示した。 期待が過熱気味かどうかは、12月の理事会で利下げの妥当性を検討してみなければわからないとした。 クノット氏は現在のユーロ圏の経済状況について、この時期のアムステルダムの天気に例え、「一部の人々が信じているほど悪くはないが、決して良いとは言えない」との認識を示した。 9月以降に発表されたデータにより、インフレ率が目標の2%に戻るというECBの確信が強まり、短・中期的には成長が期待外れになるリスクが高まったが、リセッション(景気後退)を示唆するものではないと述べた。 ただ、ユーロ圏のインフレ率が持続的に目標に戻るためには、サービス価格の上昇が一段と鈍化し、賃金の伸びが「大幅に緩和」する必要があると指摘した。 「インフレ鈍化のスピードが加速し続けていることや、景気回復が大幅に遅れていることがこの先データで示されれば、政策の引き締め度合いはより迅速に縮小される可能性がある」と述べた。 「その一方で、インフレに対する上振れリスクが明白になったり、成長とインフレに関して逆のデータが出たりすれば、引き締めの解除はより緩やかになるかもしれない」と語った。