音楽は「人」を通じて好きになる――総再生数3億回、YOASOBI「夜に駆ける」大ヒットの背景
世代を問わない人気ぶりに、今年の「NHK紅白歌合戦」に出場するのでは、という声も出ている。そのあたりをどう感じているのか。最後に聞いてみた。 「世間で言われている以上に僕が言っているので(笑)。『出たい!』って」(Ayase) 「出たいですっ! 口にしたら夢は近づくと思います。言うことで、これも口コミになるじゃないですか。何ならその口コミが紅白出場者を選ぶ方の所に届けばいいな、ぐらいに思っています」(ikura)
屈託のない笑顔で、しかも即答で返ってきた。夢を語れる、夢を公言できる。そのアーティストの夢を叶えるストーリーに参加したいとファンに思わせるパワーが彼らにはある。 YOASOBIを好きな誰もが、そのストーリーに参加している。興味をもってくれる理由が多数あり、好きになった人がYOASOBIのストーリーに参加できる導線が無数に、そして巧みにネット上に用意されている。それこそが彼らのヒットの理由なのだろう。
YOASOBI(よあそび) コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる、「小説を音楽にするユニット」 。2019年11月に公開された第一弾楽曲「夜に駆ける」はBillboard Japan Hot 100やオリコン週間合算シングルランキングで複数週にわたって1位を獲得し、ストリーミング再生回数は2020年9月に2億回を突破。第二弾楽曲「あの夢をなぞって」は原作小説がコミカライズ、第三弾楽曲「ハルジオン」は飲料や映像作品とのコラボレーションを果たし、7月20日に第四弾楽曲「たぶん」、9月1日にブルボン「アルフォートミニチョコレート」CMソング「群青」をリリース。原作小説の書籍化や映画化も発表し、さらに展開の幅を広げている。