HPの利益見通し、市場予想下回る-PC市場の回復進まず
(ブルームバーグ): パソコン(PC)・プリンターメーカーの米HPは26日、市場予想を下回る今四半期の利益見通しを明らかにした。PC市場の回復が進んでいないことを示唆した。
発表資料によると、2024年11月-25年1月(第1四半期)の1株利益は一部項目を除いたベースで70-76セントを見込む。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は86セントだった。通期1株利益は3.45-3.75ドルとなる見通しで、市場予想平均は3.60ドルだった。
エンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、収益性を悪化させているのは需要の問題よりも部品コストの上昇だと説明。部品価格は年内に下落するはずだと付け加えた。
HPの株価は26日のニューヨーク市場通常取引で39.10ドルで終了。決算発表を受けた時間外取引では一時約6%下落した。
新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の初期に多くの消費者、企業、学校がノート型PCを購入した後、PC市場は近年、歴史的な落ち込みを見せていた。今年に入り回復の兆しが見え始めたものの、7-9月(第3四半期)に出荷台数が再び減少したと、市場調査会社IDCは10月に発表した。
HPの8-10月(第4四半期)売上高は1.7%増の141億ドル(約2兆1600億円)と、アナリスト予想をわずかに上回った。前年同期比で2四半期連続の増収。その前の8四半期は連続で減収だった。一部項目を除いた1株利益は93セントで、市場予想と同水準だった。
PC事業の売上高は、2%増の95億9000万ドルとなったが、アナリスト予想平均の97億4000万ドルには届かなかった。プリンター事業の売上高は1%増の45億ドルとなり、21年終盤以来の増収。アナリスト予想平均では約4%の減収が見込まれていた。
原題:HP Gives Lackluster Profit Outlook on Slow PC Market Recovery(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Brody Ford