国内初、超高層ビルで実証…「風力発電」新技術の機能
大成建設とチャレナジー、三井不動産が来年4月開始
大成建設とチャレナジー(東京都墨田区)、三井不動産の3社は2025年4月から、超高層ビルの屋上で風力発電の新技術として注目される垂直軸型サボニウス式風車の実証実験を始める。超高層ビルで行う風力発電の実証実験は国内初。高さ約152メートルの横浜三井ビルディング(横浜市西区)に設置し、市街地における創エネルギー技術として発展・普及を目指す。実験は26年3月まで。 実証実験では風量や発電量などの取得データを技術発展に生かすとともに、設置時の課題や要件を検証する。3社は技術開発を通じて、市街地での建物のネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化や災害時の事業継続計画(BCP)対応などに貢献していく。 垂直軸で回転するサボニウス式風車は、太陽光発電装置などに比べて設置面積が小さく装置本体を3平方メートル程度のスペースに安全に設置できる。本体構造を工夫し軽量化を図ることで総重量を290キログラムに抑制。分割可能な構造で重機を使わずに組み立てられるため、設置場所の選定が容易となる。全方位からの風を受け、悪天候でも24時間連続で発電可能。風切り音が発生しにくく、モーターの振動も抑えられる。