肘あり純キックルール55キロ最強決定T開幕 壱、森岡悠樹、古村光留、前田大尊が12・30準決勝進出
「格闘技・ニュージャパンキックボクシング連盟」(10日、後楽園ホール) 国内トップ選手8人が出場する、肘あり純キックボクシングルールの55キロ最強決定トーナメント「KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級」の1回戦4試合が行われた。 【写真】嵐に左ミドルを放つ壱・センチャイジム メインではKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者の壱・センチャイジム(27)=センチャイムエタイ=と、NJKFバンタム級王者の嵐(19)=キング=が激突した。 若い嵐は左の関節蹴りと右インローを軸に攻め立てていったが、2ラウンドに入ると壱の左ミドル、左ローで失速し、最終3ラウンドには壱ペースに。終了ゴングを聞くと壱はロープに上がって勝利をアピールし、嵐はマットに突っ伏した。判定は29-28、30-29、30-28の3-0で壱を支持した。 記者会見であおられていた壱は「嵐くんねえ、格闘技はやっぱ武道が基にあるから、そこをしっかり勉強し直してください!それがないと格闘技は他と同じになっちゃうから」と公開説教。「嵐くん、また強くなって戻ってくるのを待ってるよ!」と励ました。 ◇ ◇ セミではNJKFスーパーバンタム級王者の真琴(20)=誠輪=とスック・ワンキントーン同級王者の森岡悠樹(30)=北流会君津=が対戦。真琴は前日計量で650グラム超過したためグローブハンデ(真琴10オンス、森岡8オンス)あり、減点2からのスタートで、トーナメントは失格。勝敗にかかわらずトーナメント規定で森岡が準決勝に進出する。 準決勝進出の目はない真琴だが1ラウンドからダイナミックに攻め込み、2ラウンドにカウンターのショートパンチでダウンを奪取。森岡も右肘で真琴に膝を突かせたが、ダウンとはみなされなかった。2人は最後まで激しくやり合い、採点は28-27で森岡が1者、28-28が2者でドローとなった。 森岡は「真琴選手は若くて勢いもあって、トーナメント初戦にふさわしくない、情けない試合でした。ちょっとふがいない試合をしてしまってすみませんでした」と、体重超過された側にもかかわらず反省の弁。「あと1カ月と20日あるので、そこまでに仕上げて来ます」と誓った。 ◇ ◇ 元NJKFスーパーバンタム級王者バンタム級王者の古村光(23)=FURUMURA=は、WMC日本王者で元WKBA日本バンタム級王者の佐野佑馬(28)=創心會=に2回1分49秒、TKO勝ちした。 1ラウンドから佐野の右前足を左ローで効かせて、組んでの左肘連打で最初のダウンを奪取。2ラウンドに左肘で佐野の右目尻をカットし、こかせてダウンを追加。コーナーで猛攻を加えるとレフェリーが割って入って試合を止めた。 肘をアピールした古村は「まだまだですね。試合を楽しみすぎてすごく力んじゃった。武田幸三プロデューサーが言われていた、肘で、膝で、首相撲で、ムエタイらしい試合をしたくて力んでしまって」と振り返り、「準決勝、決勝で勝てるようにもっと精度を磨いていきたい。俺がこのトーナメントにふさわしいと思うんで」と、優勝を宣言していた。 ◇ ◇ 元ビッグバンスーパーバンタム級王者、元WBCムエタイ日本統一バンタム級王者、元NJKF同級王者、元WMCムエタイ日本同級王者の大田一航(23)=新興ムエタイ=と、イノベーションフェザー級1位の前田大尊(19)=マイウェイ=との一戦は、1ラウンドに前田がバックブローで大田をロープまで大きく吹き飛ばして見せ場を作るが、大田も3ラウンドに強烈な左ボディーを見舞うなど追い上げ、本戦は1-1のドロー。 マスト判定となる延長回もジャッジは割れたが、2-1で前田が辛勝した。 前田は「試合をしてると今日は負けるかも、無理かもと思うことがあるんですよ。今日もそうでした。でも皆の声が届いてパワーになりました」とファンに感謝。「まだまだ俺、発展途上なんで、もっと強くなって必ずこのトーナメント優勝します」と誓った。 壱、森岡、古村、前田が進出した準決勝と決勝は、12月30日に横浜武道館で開催される「K.O CLIMAX 2024」で行われる。 ◇ ◇ また、休憩明けに武田幸三プロデューサーがリングイン。2・2後楽園ホール大会でNJKFフェザー級王者の大田拓真(25)=新興ムエタイ=が防衛戦を行うことと、K-1ワールドGP女子フライ級王者のSAHO(25)=闘神塾=がタイ人選手と肘ありのキックルールで対戦することを、両選手を呼び込んで発表した。