伝統を刷新し続ける「トミー ヒルフィガー」 “若者”と“セレブリティー”を起点に40年目へ
若者のニーズを視野に
MDバランスで応える
WWD:「トミー ヒルフィガー」が考える現代の若者の特徴は。
トミー:3つある。サステナビリティーに関心があり、テクノロジーが搭載された生地を好み、シルエットやディテール、色にこだわることだ。今日の顧客は妥協しない。ブランドは、彼らのニーズを意識できるかどうかにかかっている。
WWD:現代の若者は、ブランドの歴史に裏打ちされた“らしさ”に魅力を感じる傾向がある。ブランドの伝統と新鮮さを同時に提案する秘訣は何か。
トミー:「トミー ヒルフィガー」は、伝統的なアメリカンプレッピースタイルを打ち出すブランドで、それは今後も変わらない。その上で、MDのバランスが全ての鍵を握る。あまりにも前衛的なスタイルを発表したら、それについていけない顧客も出てくるし、逆に変わり映えのないスタイルばかりを発表していたら、それに飽きる顧客も出てきてしまう。
バランスが重要だ。我々は最近では、1996年の「トミージーンズ ゲームコレクション」の復刻や、スプリング・コレクション、2024-25年秋冬コレクションの発表の中で、メンズ、ウィメンズ、キッズラインのみならず、シューズやアクセサリーも充実させている。同時に、定番アイテムをそろえた「エッセンシャルズ」ラインに力を入れている。同ラインは、「トミー ヒルフィガー」のビジネスを前進させる上で基盤となる存在だと考える。
セレブリティーとの関係性
“尊重し合える”パートナーシップ
WWD:先述のセレブリティーとのコラボについて聞きたい。世界にはたくさんのセレブリティーがいるが、「トミーヒルフィガー」がコラボ相手を選ぶ基準は。
トミー:ブランドを愛してくれているかだ。「トミー ヒルフィガー」を大切に思ってくれない人に対して、ブランドの顔を務めてもらうためだけに報酬は払いたくはない。もちろん、我々もセレブリティーの才能を“当たり前のもの”として消費すべきではないし、人として彼らを好きになる必要がある。幸運なことに、「トミー ヒルフィガー」はその条件を満たしたセレブリティーと仕事ができている。