広島の牡蠣駅弁、「炙り牡蠣」の隠し味とは?
【ライター望月の駅弁膝栗毛】 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。 【写真全6枚】プリプリの牡蠣がモチモチの牡蠣ご飯に載っている駅弁
広島の冬の名物といえば、やっぱり牡蠣。広島駅に並ぶ駅弁も、冬は牡蠣が主役です。広島駅の牡蠣駅弁のルーツは、山陽本線と呉線の接続駅・海田市駅で販売されていた“大田かきめし”にあるといいます。そんな呉線の海田市~呉間は12月27日が開業日。今回は広島駅の牡蠣駅弁のなかから、呉線沿線の島で作られているという“隠し味”が効いた駅弁をいただいてみました。
広島駅の牡蠣駅弁特集(第2回/全3回)
広島随一の絶景路線・呉線。瀬戸内の穏やかな海を眺めていると、気持ちが癒されます。かつては、東京へ直通する急行「安芸」などの優等列車も走った路線ですが、いまでは赤いラインが入った普通列車が中心です。ただ、その美しい景色を満喫できる観光列車「etSETOra(エトセトラ)」が週末を中心に運行される他、西日本エリアを巡る豪華列車「瑞風」もときどき乗り入れてきます。
さて、冬の広島で駅弁を選ぶなら、やっぱり旬の牡蠣を使ったお弁当ではないでしょうか。「瀬戸のかきめし」(1380円)は、毎年9月1日から翌年の3月31日までの期間限定駅弁となっています。パッケージには牡蠣の貝殻と一緒に宮島・厳島神社の鳥居が描かれ、旅情を誘ってくれます。せっかくなら、海の見える路線で昼下がりの比較的空いた時間の列車にのんびり揺られていただきたいものですね。
【おしながき】 ・牡蠣飯 牡蠣醤油海苔 ・牡蠣煮 ・炙り牡蠣煮 ・人参煮 ・広島菜油炒め ・ガリ
「瀬戸のかきめし」の特長は、広島県産の煮牡蠣と炙り牡蠣の2つの味を楽しめるところ。とくに炙り牡蠣は広島県内で作られている“海人の藻塩”を使っています。プリプリの牡蠣がモチモチの牡蠣ご飯に載っていて食べ応え十分。牡蠣と牡蠣飯の間には、牡蠣醤油で味付けされた海苔が敷かれており、広島ならではの海苔弁にも仕上げられています。ちなみに、牡蠣飯にはもち米が混ぜられており、一層のモチモチ感を演出してくれます。