互いのラグビースタイル出し尽くす。関西学院大×近大は、大学選手権への切符を懸けた決戦
全国切符をつかむ一戦に向けての準備について、平生主将は「ひとつのキックチャージ、こぼれ球へのセービング、タックルからすぐに起き上がる。そういうことを練習からやっていきます」と言った。 試合の集中力で日々を過ごしている。
今季の各試合、楽に勝てた試合はほとんどなかった。しかし主将は、「それが自分たちの力になっている」と自信を持つ。 定めているターゲットは全国ベスト4。そのためにも、「目の前の試合にベストを尽くしていくことを重ねていきます」。
近大は前戦で天理大に競り勝った(28-26)勢いを持って、この試合に挑む。 勝てば3大会ぶりの全国大学選手権への出場となる(関西学院大が7点差以内の敗戦でボーナスポイント1を獲得して勝ち点で並んでも、当該チーム同士の勝敗で決めるため)。
前戦の天理大戦では、接点への強さ、得点力のある選手の働きによってクロスゲームに持ち込み、逆転勝ちを収めた。 特に後半、スクラムで圧力をかけたことが勝利を引き寄せる大きな要因となった。
スクラムをはじめとしたセットプレーは勝敗を大きく左右する。その現実にこだわり、時間をかけて土台を積み上げた。 それは、やがてチームのカルチャーとなった。スクラムの組み方のノウハウや前へ出る姿勢は、代々継承されるようになっている。
スクラムの中心となるのは3番の稲葉巧だ。猛烈なプッシュで相手を交代させ、仲間に安心感を与える。 バックローでは、チームの魂と言っていいFL中村志主将が仲間を束ねる。161センチと小さな体躯ながら、熱さと激しさで前に出る。
天理大戦の先発から変更があるのは11番だけだ。怪我の西端玄汰に代わって入るのは西柊太郎。インサイドで人を使うプレーもうまいが、外勝負できるスピードもある。 幅広く働くことが期待される。
嶋音輝は天理大戦で再三ラインブレイクを見せて活躍したCTBだ。WTB植田和磨もその試合で決定力の強さを見せた。 SH渡邊晴斗は積極的に動いて、チームに刺激を与えるタイプだ。