【解説】円安がとまらない!日銀・次の利上げはいつになるのか?
日テレNEWS NNN
日銀は金融政策決定会合で、金融政策の維持を決定。それを受け、円相場は1ドル156円台にまで下落、約34年ぶりの円安ドル高水準を更新した。次の利上げはいつになるのか?植田総裁の会見をもとに、経済部・宮島香澄解説委員が読み解く。 ――ここからは日本銀行の植田総裁の記者会見について、経済部の宮島(香澄)解説委員とお伝えします。金融政策決定会合は、たった今植田総裁の記者会見が終わりました。どんな内容でしたか? 今回金融政策は維持だろうとおおかたが予想していました。円安が急に進んでいますので、これに対して総裁がどんなことを言うかに注目が集まっていました。たった今終わった記者会見ですが、印象としては落ち着いてる、追加利上げに関してもう少し前向きなポーズをとるかなという予測もあったんですが、予想よりは穏やかな感じがしました。最近の発言などに比べてトーンダウンの印象です。
■「緩和度を調節も」植田総裁会見のポイント
今回のポイントです。短期金利をターゲットとしている金融政策を現状維持します。展望レポートで新たに、「物価上昇率が上昇すれば、金融緩和度合いを調節する」と書きました。緩和の状態を続けるとは言ってるんですけれども、この文を入れたのは、追加の利上げに対する一つの示唆を書いたのかなと思います。 展望リポートでは予想通り物価の見通しは引き上げ、今年度来年度に関しては結構大きく引き上げました。今回2026年度の数値が入ったんですが、生鮮食料品を除く物価指数で、プラス1.9%。エネルギー価格も抜いた場合の物価上昇率は2.1%。この先の金融政策金利を上げていける流れの予測だと思います。 長期国債の買い入れ、ここは注目されていました。総裁は長期国債の買い入れは将来的には減らしていくと言ってまして、買い入れを減らすと、一般的に円安を抑える方向に働きますので、ここの言いぶりは変えるのではないかという予測もありました。国債買い入れについては前回を踏襲するということです。 記者会見で質問が多かったのは、円安についてです。日銀にとって、為替は直接のターゲットではないですけれども、総裁も認めているように物価にも影響するということで質問が相次ぎました。 総裁は円安は今のところは、基調的な物価の上昇率には大きな影響はない、として、無視し得ない影響が発生すればこれは金融政策の判断材料になると話しました。 そして、前回3月、金融変更がありましたけれども、今の状況は3月時点の予測に近いということでした。全体としてはですね将来の利上げを見通してはいるんですけども、落ち着いたあまり変わらないという印象を与える会見でした。