上に文句を言うなら結果を出してから【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第6回
里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第6回は、「個人と組織」について語り合った! 【写真】里崎智也×五十嵐亮太 対談フォトギャラリー ■里崎、五十嵐が考える「いい監督」とは? ――前回のラストでは「親ガチャ」の話から、「いい監督、悪い監督」の話となりました。そこから広げて、今回は「いい上司、悪い上司」について伺っていきたいと思います。お二人にとって「いい監督」とはどんな監督でしょうか? 「監督ガチャ」でハズレを引いたようなことはなかったですか? 里崎 僕にとって「いい監督」というのはシンプルなことで、「僕の言うことをよく聞いて、僕を使ってくれる人」ですね。だから、僕は一貫して「ボビー(・バレンタイン)はいい監督だ」って言い続けているんです。でも、監督の意向によって起用されないようならば、その選手はそもそも二流だということなんですけどね。だって、監督から嫌われていても使われる選手が一流なんですから。 五十嵐 僕自身、「何でも自分の好き勝手にやりたい」っていうよりは、与えられた環境の中で「どうやってベストを尽くそうか?」と考えるのが好きなんです。だから、監督が代わるたびに「この監督の求めているものは何か?」とか、「この状況では自分がどうするべきか?」って考えるのは嫌いじゃなかったな。福岡ソフトバンクホークス時代に秋山(幸二)さんから工藤(公康)さんに監督が代わったときには、特にそれを感じましたね。 里崎 監督の意向に自分を合わせていくイメージなの? 五十嵐 うん。むしろ「合わせるしかない」って思っていましたね。きれいごとに聞こえるかもしれないけど、「トップのやりたいことがやれないと組織としてはよくない」って考えていたし、今もそう思っているから。とはいえ、やることが大きく変わるわけではないわけだから、そんなに大きなとまどいもなかったし。 里崎 そもそも、プロ野球界って特殊過ぎるんですよ。僕ら、組織人であって組織人じゃないんで。しょせん、求められているのは「結果を出すこと」なんです。だから、監督の言うことを聞いて結果を出せないよりは、たとえ監督の言うことに反発しても結果を出せばいい。その点が同じプロリーグでも、サッカーやバスケットボールとは違うところ。 五十嵐 サッカーもバスケも同じ団体競技だし、そんなに野球と違うかな? 里崎 サッカーやバスケって、監督の戦術に反していたら、いくら能力がある選手でも使えない。使えないというか、監督の作戦にハマらない。フォーメーションや戦術にそぐわなければ、いくら個々の選手の能力が高くてもチームとして機能しないから。野球の場合は、基本的にそのポジションで一番のヤツを選んでいればほぼ間違いがないからね。