上に文句を言うなら結果を出してから【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第6回
■文句を言うなら、まずはキッチリ仕事しろ! 五十嵐 僕らは会社勤めをした経験がないからわからないけど、野球界とはまた違ったアプローチをしないとダメだと思いますね。だけど、サトさんだって「何で、ここでバントのサインが出るんだよ」とか、監督と意見のすれ違いがあったりもしたでしょ? 里崎 もちろんあったよ。でも、僕の場合は後でキッチリ文句を言いたいから、確実にバントを成功させてから文句を言うようにしてた(笑)。やっぱり、失敗しているくせに文句を言うヤツがいちばんダサいと思っていたから。だから、完璧にバントを決めてから、「何であの場面でバントなんですか」って言うようにしていたね。 五十嵐 でも、失敗したときこそ文句を言いたくなっちゃうんだよね。で、そういうことが積み重なれば重なるほど、チームとしては決してよくない。やることをやらずにただ不満だけ言っているのは、組織にとっても、自分にとってもためにならないから。バントを失敗してから文句を言っても、「いやいや、まずは決めてから文句を言いましょうよ」ってなるからね(笑)。 里崎 まさに、それ。現役のときに気づいたんだけど、ある試合で1打席目にタイムリーヒットを打ったのに、2打席目でバントのサインが出たことがあって。そのときはサブローの調子が悪かったのに、前のイニングの無死一、二塁でもバントをさせずに凡打となってチャンスが潰れた。だけど次の回の無死一塁で、俺にバントのサインが出たから「なんで不調のサブローにバントさせないで、調子がいい俺がバントなんだよ!」と思ったよ。 五十嵐 結局、いくら人のせいにしても、最後に責任を取るのは自分だからね。 里崎 それ以来、引退するまで一度もバントは失敗していない。 五十嵐 なんだよ、結局は自慢話か(笑)。でも、その通りですよ。不満を言っても、その場はスッキリしたとしても、結局は自分のためにならないし、ましてやチームのためにもならない。損するのは自分なんだから。 ――さぁ、議論も白熱してまいりましたが、ちょうど時間となりました。「いい上司」を伺うよりも、「ダメな上司」を伺ったほうが話も弾むし、反面教師として役立ちそうですね。ということで、次回は「ダメな上司」について、もう少し深掘りしたいと思います。 里崎・五十嵐 そのテーマだったら、いくらでも話せますよ(笑)。ぜひ次回もよろしくお願いします! 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫