エース青柳晃洋を直撃! "日本一連覇"を目指す阪神は昨季よりも断然強い!【阪神・巨人沖縄キャンプリポート①】
2月にもかかわらず夏日が続いた、南国・沖縄。セ・リーグの覇権を争う"東西の名門球団"の春季キャンプを現地視察した週プレ本誌おなじみの野球評論家、お股ニキ氏が投打の仕上がり具合、復活を期すエースの状態、注目を集める若き新戦力などを詳報する。【"セ・リーグ優勝候補"阪神・巨人沖縄キャンプリポート①】 【写真】宜野座はタテジマを身にまとった虎党であふれ返っていた ■王者・阪神に漂う"勝者の風格" 那覇市内から車で1時間ほどの距離にある、バイトするならエントリー宜野座スタジアム(宜野座村[ぎのざそん]野球場)。那覇市内の都心部でキャンプを張る巨人とは異なり、ゆったりとした空気が流れていた。球場、室内練習場、ブルペンなどがコンパクトに配置されており、移動が楽で、選手とファンの距離も近い。 阪神のキャンプは本当にレベルが高い。選手層が分厚く、日本一になっても浮かれることはまったくない。1軍クラスだけでなく、育成まで含め、体形が良く、鍛え上げられている選手が多い。 どの選手も、「少しでも気を抜いたら、居場所がなくなる」という意識があるのだろう。それぞれが自分のやるべきことに集中し、黙々と練習していた。 ブルペンで投手陣を見たが、糸を引くようにビシッと来る球筋の投手が多く、意図を感じる投球内容だった。投手陣からの信頼が厚い捕手の坂本誠志郎も間近で見ることができたが、フレーミング技術が素晴らしく、球筋や球の強度など、投手に対して一球一球しっかりと伝えていた。球の質や配球を重視するこのような姿勢が、阪神の強力投手陣をつくり上げている。 練習を終えた選手に話しかけると、温和な雰囲気で気さくに応じてくれた。昨季の優勝で"勝者のメンタリティ"を手に入れ、今季はさらにもう一段階レベルが上がった。リーグ優勝候補の筆頭だろう。 ■"虎のエース"復活へ 今回、以前から意見交換をしている青柳晃洋と、1時間超も話すことができた。 2021年から2年連続最多勝に輝き、2022年には投手3冠を獲得。昨季は自身初となる開幕投手の大役を務めたものの、シーズン途中で調子を落とし、不本意な成績に終わった青柳。私が宜野座を訪れた日はたまたま別メニュー調整だったため、じっくりと話すことができた。