前橋育英が4連勝中の青森山田を1-0撃破!「このままでは終われない」タイガー軍団はリーグ6位からさらに上、選手権で日本一へ
[10.13 プレミアリーグEAST第18節 前橋育英高 1-0 青森山田高 前橋育英高校高崎G] 【写真】「昇天した」「救急車で運ばれちゃう」伊東純也のモデル顔負けショットに大反響…久保建英らも脱帽 前橋育英が青森山田の連勝をストップ! 13日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST第18節で前橋育英高(群馬)と青森山田高(青森)が対戦。ボームの前橋育英がFWオノノジュ慶吏(3年)の決勝点によって、1-0で勝った。 4連勝中で高体連勢トップの3位・青森山田を前橋育英が止めた。オノノジュは「自分たちが連勝をストップさせられた。しかも0失点で、セットプレーも0で抑えて勝てたっていうところは、ここから自信に繋がると思います」。これで前橋育英は6月以降、6勝2分2敗。暫定6位へ順位を上げ、今後のプレミアリーグ、選手権へ弾みをつけた。 ホームの前橋育英はGK藤原優希(3年)、DFが瀧口眞大(2年)、久保遥夢(2年)、鈴木陽(3年)、竹ノ谷優駕(2年)、MF石井陽主将(3年)、柴野快仁(2年)、黒沢佑晟(3年)、平林尊琉(2年)、FWオノノジュ、佐藤耕太(3年)の11人でスタートした。 一方の青森山田は、GK松田駿(2年)、DF中島斗武(3年)、島津亮太(2年)、福井史弥(2年)、伊藤柊(3年)、小沼蒼珠主将(3年)、MF浅野瑠唯(3年)、川口遼己(3年)、別府育真(3年)、大沢悠真(3年)、FW石川大也(3年)の11人が先発を務めた。 立ち上がりは前橋育英が押し込んで仕掛ける。3分、左の平林が中へ運んでパスを繋ぎ、佐藤がターンからPAへ潜り込んだ。また、11分には瀧口のスルーパスからオノノジュが右足シュート。だが、石川を筆頭に、川口と浅野の両ボランチも積極的に前へ出てくるなど、アプローチの鋭い青森山田にビルドアップを封じられるような時間が増えてしまう。 青森山田は8分、島津のインターセプトを起点とした速攻から川口がフィニッシュ。17分には、右から左へ流れていた中島の折り返しからシュートチャンスを迎える。また、20分には、正確なフィードも見せていた小沼のロングスローが1バウンドしてゴール前を横切った。 前橋育英は石井の奪い返しから、黒沢のドリブルなどを交えて攻め返す。柴野や平林がボールタッチ数を増やし、オノノジュ、柴野がスペースへ抜け出す動き。青森山田は入れ替わられそうになるシーンもあったが、伊藤、福井ら各選手が例え体勢を崩しても足を残してボールを止めるなど、対人の攻防で負けない。そして、速攻、セットプレーからゴールへ迫るシーンを増やしていた。 33分、福井のインターセプトから左の大沢が縦へ持ち込み、ラストパスがファーの別府へ通る。だが、前橋育英の竹ノ谷がタックルを決めてゴールを死守。前橋育英はDF牧野奨(2年)の負傷離脱に伴い、本来ボランチの竹ノ谷が左SBを務めた。急造のSBだったが、山田耕介監督が「スベディ(竹ノ谷)のヘディングは大きかったですね」と評したように、対青森山田で高さも発揮。貢献度の高いプレーを見せていた。 加えて、41分、43分と青森山田・川口にミドルレンジから狙われたが、前橋育英はDF陣が連続でシュートブロック。この日、久保は頭でのシュートブロックなど勇気のあるプレーを続け、Bチームから這い上がってきた鈴木も身体を張ってゴールを守っていた。 青森山田は前半39分、浅野に代え、怪我からコンディションを上げてきた10番MF谷川勇獅(3年)を投入した。後半立ち上がりには1タッチのパス交換から谷川がフィニッシュ。また、FKから小沼がヘディングシュートを放つ。小沼や福井の奪い返しから素早くクロスへ持ち込んでいたほか、川口や別府がボールを繋いでシュートを放つなど上手さも見せていた。 青森山田は好調を印象付けるような試合を見せていたが、前橋育英はその相手を上回るような後半の戦いだった。ベンチの指示もあり、佐藤がスペースの広がっていた相手ボランチとDFラインの間でボールを受ける回数を増加。ポストプレーに秀でた佐藤を積極的に活用し、ドリブルで中央を攻略する柴野も存在感を高めていく。ダブルボランチを組んだ柴野とともにボールタッチを増やした石井は、「しっかり選手全員が共通認識を取れたんで、その結果、ちょっと上手く押し込める時間帯もあったんで、そこが改善できて良かった」。18分には、石井の左CKがペナルティアーク付近の柴野へ。柴野がドリブルで右前方へ流れたところでファウルを受け、PKを獲得する。 このPKをオノノジュが右足で狙うが、青森山田GK松田が左へ跳んでビッグセーブ。前橋FC出身のGK松田はこの後、佐藤の至近距離からの一撃や瀧口のミドルシュートを止めるなど圧巻のパフォーマンスを見せていた。 だが、前橋育英も負けていない。21分、GK藤原が青森山田MF別府の決定的な一撃を横っ飛びでストップ。DF陣とともに相手の迫力のある攻撃を食い止めていた。この後、青森山田は中島を右WB名倉眞祥(3年)へ、大沢を186cmFW比嘉大陽(3年)と入れ替える。前橋育英も平林をMF白井誠也(2年)へスイッチ。すると、37分、前橋育英は石井の右CKからPAでこぼれ球を拾ったオノノジュがターンして右足を振り抜く。ここまで再三チャンスを逸していたストライカーが、得点ランキング首位に並ぶ9得点目のゴール。ピッチサイドのチームメートと喜びを爆発させた。 青森山田の正木昌宣監督は内容面について一定の評価をしていたが、「あれだけピンチ作られたら」と指摘する。気温27.4度の暑さも影響したか、前半の被シュート1から後半は10へ増加。その中で1本を決められた。 前橋育英は39分にもオノノジュが左サイドへ抜け出し、ラストパスに柴野が走り込む。これを青森山田GK松田が再びビッグセーブ。2年生守護神の奮闘に後押しされた青森山田は伊藤、石川をDF矢部翼(3年)とMF藤田比呂(3年)へ入れ替えて反撃する。川口、谷川を中心にボールを動かし、クロス。またセットプレーからゴールを目指した。 だが、前橋育英は佐藤をDF金子朋樹(3年)へ代えて守りを固めると、オノノジュとFW四方田泰我(2年)も交代した。オノノジュが「結構、前期とかは点決めても最後の最後で同点に追いつかれたり、逆転されたりっていうところが多かったんですけど、後期に入ってフロンターレ戦だったり、0失点で抑えられる場面が多くなってきて、守備も良くなってきている」と信頼を口にしたように、成長したDF陣中心に無失点で試合終了。「ほんとにチーム全員の、総力戦で勝てた試合だったかなと思います」(石井)という1勝を挙げた。 石井は「こういう肉弾戦で、山田の得意な形の試合で自分たちが勝ち切れたっていうのは、戦い方のパターンっていうか、自分たちも1つ身についてきてるなって思うんで、そこは自信に繋げられるし、選手権でもそういう戦いが出てくると思うんで、そこは胸張ってやっていきたいかなと思っています」と頷く。 昨年の主力を多く残し、期待されたシーズンもリーグ前半戦は黒星が先行。インターハイ予選は県1部リーグ勢の共愛学園高に屈し、全国大会の連続出場が6でストップしている。それでも、苦しい時期を経てチームは成長。山田監督は「もうちょい、これから良くなってくると思います」と期待する。 リーグ戦の残り5試合と選手権へ向けて石井は、「出た課題とかをチームでしっかり話し合って、本当に悔いのない1試合1試合を過ごしていきたいかなと思います」と語り、オノノジュは「インターハイでも負けているんで、このままじゃ終われないんで。全国出場決めて、残りのプレミアも全勝して、できるだけ上位に行けるように。それがまた選手権の全国にもいい結果に繋がると思ってるんで、そういういい調子でいけたらなって思ってます」と力を込めた。この日の白星でまた成長したタイガー軍団が、残りのリーグ戦と選手権も勝ち続ける。