使ってみて分かった!アップルの新型端末「ビジョン・プロ」の可能性と乗り越えるべき課題
日本では、日本経済新聞社や福井新聞社が日本での発売に合わせて、ビジョン・プロ向けのアプリの提供を始めた。 「日経空間版」は、日経電子版の有料会員向けに実験的に提供している。「ペーパーリウム」と呼ぶ機能では、最新の紙面の一覧が空間に現れ、選択した紙面や記事は大きく表示される。部屋中に広がる紙面一覧は迫力がある。もう一つの「ストーリーフロー」という機能は、選んだ記事について、関連した記事を人工知能(AI)が自動で抽出する。 例えば、「グーグル、サードパーティー・クッキー廃止方針を撤回」の記事については、過去の特集記事なども時系列で表示され、読者が理解しやすくなっている。日本の過去の大きな地震を3Dで表現したコンテンツも公開している。いずれも凝った作りで、ビジョン・プロに最適化されたニュースアプリになっている。 「福井新聞V刊」は無料アプリ。福井新聞が地元のソフトウエア会社と共同開発した。北陸新幹線開業や、コウノトリの放鳥など、県内で大きなニュースのあった日の紙面を見られる。空間に浮いた紙面を指でつまんでめくる仕組みで、紙の新聞の使い勝手を再現している。一部の記事は動画も再生する。
▽将来性と課題 ビジョン・プロの初代機は、iPhoneやiPad、Apple Watchの初代機と比べると、粗削りな面を感じた。60万円という価格からも万人向けではない。一方で、端末の重さといった装着感に課題があるものの、高精細な映像や目線と手ぶりによる直感的な操作を実現したのは驚きだ。 アップルのボーチャーズ副社長はインタビューで「ビジョン・プロは無限に広がるキャンバス。実際に活用すれば価値を見いだせる」と話した。直営店では無料で30分ほどのデモ体験ができる。興味を持った方は、まずはお試しを。コンピューターの未来を体験する価値は大きいはずだ。