使ってみて分かった!アップルの新型端末「ビジョン・プロ」の可能性と乗り越えるべき課題
アップルがビジョン・プロ限定で配信している「イマーシブビデオ」は、180度の視野で3D動画が広がる。米人気歌手アリシア・キーズさんや、米プロバスケットボールやサッカーの映像は高精細でプレーなどが間近に迫り、臨場感に驚いた。 映像との双方向性も楽しめる。恐竜と遭遇するアプリは、3D映像の恐竜やチョウが姿を見せるだけでなく、利用者の動きに反応する。手を伸ばすと恐竜にかみつかれ、思わず手を引いてしまった。飛んできたチョウは人さし指に止まった。 ▽装着中は孤独感も ビジョン・プロの映像内のキーボードはタブレット端末「iPad」のような使い勝手で、人さし指による入力では高速で入力できない。その代わり、パソコン「Mac」と連携させ、パソコン画面をビジョン・プロの映像内で大画面化し、Macの物理的なキーボードで入力できる。今回の記事の一部はビジョン・プロとMacを連携させて作成した。慣れの問題もあるが、Macだけの方が書きやすい。
ビジョン・プロの利用者は、使用時に周囲の様子が見え、ビジョン・プロの外側ディスプレーに自分の目の映像が映し出される。周囲とのコミュニケーションを取りやすくするのが狙いだが、職場で使用した際、隣に座る同僚から孤独感を感じたとの感想をもらった。 自宅で使用する際は家族とのだんらん時ではなく、深夜、リビングのソファに座って映画などを楽しむことが中心になった。また、装着時の視野の広さがスキューバダイビングでゴーグルをつけて潜っているような感じで狭いため、現行の端末では数時間つけっぱなしにするのはあまり現実的ではないとも感じた。 ▽ニュースメディアでの活用 ニュースメディアにとっては、空間コンピューターを使用することで、没入感のあるニュース体験を利用者に提供できるようになった。例えば、ウクライナやパレスチナ自治区ガザでの紛争の3D映像は、巻き込まれた市民の理不尽さや平和の尊さのメッセージがより強く伝わるだろう。また、著名人やスポーツの映像は、ファンをきっと喜ばせる。