浜辺美波×赤楚衛二 大御所俳優たちの中での成長「結束力が高まりました」
「浜辺さんは大女優感を出さない」「赤楚さんは一切の尖りがない」
──今作は現代の日本人に向けても考えさせられるセリフやメッセージが多かった印象です。おふたりはどんな日本人でありたいと考えますか? 赤楚 自分で考えて自分の意見を持って、行動することができる日本人ではありたいです。いまの世の中は情報過多で、なにを信じていいのかわからないところはありますが、だからこそ意見を持ちつつ、何事も信じすぎず、バランスのいい日本人でいたいですね。 浜辺 政治と向き合っていきたいなと思います。関心を向けないとすぐに距離ができてしまい難しくなってしまうと思うので、常に向き合い続けて考えていくべきだと思いました。あとは、海外旅行も好きですが、日本の各地に足を運んで文化に触れてみたり、守るべきものを継承していけるような日本人でありたいと思っています。 ──海外に行ったときに感じる日本の良さなどはありますか? 赤楚 保険とご飯、安全性ですかね。逆に、海外に行って魅力的に感じることが僕は多い気がします。国籍問わずいろんな人がいて、ファッションもバラバラで、同じ季節に半袖の人もいたり、ダウンを着ている人もいるんですよね。それってすごく自由で、それぞれが個として認められているような心地良さを感じます。日本だとみんなと足並みを揃えないといけないような空気があって、例えば今日みたいに猛暑の日にロンTを着ていたら「変なやつ」って思われたりするじゃないですか(笑)。 浜辺 そうですか?(笑) 赤楚 そんな空気あるでしょ?(笑)別に悪いことではないと思いますが、海外の“個として居られる”感じが素敵だからぜひ真似したいなと思って、僕はこれからもロンTを着ていこうと思います(笑)。 浜辺 下駄を履いて現場に行ったりね(笑)。 赤楚 それはちょっと違くない?(笑) 浜辺 私は海外に行くと、日本の安全性をすごく感じます。女性が1人で夜出歩いても、危機感なく歩けるというのはすごくありがたいことだなと思います。海外では安全だとしても怖さを感じますし……夜普通にコンビニに行けるというのがすごいことなんだなと思いました。 赤楚 とはいえ、東京でもちゃんと人がいる大通りに出るんだよ。 ──いまのやり取りでも伝わってくるようにとても仲の良いおふたりですが、お互いに役者として魅力に感じるところは? 赤楚 僕にとってはもう、大女優・浜辺美波っていうイメージなんですよ。 浜辺 ええぇ~(笑)。 赤楚 いや、ほんとにさ。『ゴジラ-1.0』で賞(第47回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞)を獲って、堂々と歩いているさまとかを見ると本当にそうなんですけど、現場で大女優感をまったく出さず、むしろ「主演としてどうあるべきなんだろう?」とか、お芝居についても真摯に向き合っていて。「ここまでの人でもこんなに悩むのか」と思うと……しかもまだ23歳で、驕りもなくそこまでできる人っていうのはすごいですよね。見ていて僕も身が引き締まるというか「がんばらないとな」と思います。 浜辺 赤楚さんは誠実な方だなと思います。ほかの俳優のみなさんも真摯に役と向き合っていらっしゃいますが、どんな現場でもとにかくまっすぐに向き合われる赤楚さんの姿が印象的で、一切の尖りがないんです。それって珍しいことだなと思っていて……みんなどこかに鋭いナイフのようなものを持っていると思うんですけど、赤楚さんはそれがすごく丸くて。現場で「どう人に伝えるか」といったことを客観視して、タイミングを見て冷静に行動していらっしゃる方なので、そこが珍しくて稀有で「価値があるな、素晴らしいな、見習わなきゃな」って思ってまつ(笑)。 赤楚 噛んだじゃん最後!(笑) 浜辺 ふふふ(笑)。 赤楚 分析されている感じがすごく恥ずかしいですが(笑)、ありがたいです。 取材・文/とみたまい、撮影/映美 <公演情報> 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 全国公開中 Ⓒ2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会