高校生ドラフト期待度ランキング40位-31位 甲子園を沸かせた好投手や復活を誓う150キロ超えの剛腕らがランクイン
10月24日に迫ったドラフト会議。『高校野球ドットコム』の恒例企画「高校生ドラフト期待度ランキング」を発表しよう。今回は選手スキルの5項目の評価に加え、ドラフトでの可能性、その選手の将来像も考えてみた。 【一覧】2024年 高校生・プロ志望届提出者 プロ志望届を提出した高校生は159名。昨年のドラフトでは、育成・本指名合わせて50名の高校生がプロ入りした。今年は何人が指名されるのか? 今回は40位から31位だ。基礎能力が高く、これまでの実績やパフォーマンスも優れた選手がそろった。 【ランキングの見方】 投手は①直球の威力②投球フォーム③制球力④変化球の精度⑤将来性、野手は①長打力②巧打力③守備力④走力⑤将来性の5項目に分けて分析。各項目のDは「課題あり」、「及第点」はC、Bは「高校球界上位の実力」、Aは「ドラフト候補の中でも上位」、最高評価は「超一流になる可能性を持った逸材」としてSとしている。現時点でドラフトがあった場合の評価については下位指名は5位以降、中位指名は3位~4位、上位指名:2位の可能性あり、ドラ1クラス=1位、最低でも2位以内としている。
実績は高校生NO.1・高尾響の“順位縛り”はあるのか
40位 石見 颯真内野手(愛工大名電) 177センチ95キロ 右投げ右打ち 長打力:B 巧打力:A 守備力:C 走力:A 将来性:B 指名順位:下位 将来像:小郷 裕哉(楽天) 抜群の脚力を武器とする左の好打者。センバツはショートで出場して、その守備もだんだん上達してきた。しかし、今年の高校生ショートは豊作。他の選手と比べるとかなり劣っているので、次のステージでは外野手として勝負することになるだろう。外野手として名手を目指せる素材だ。 打撃技術も高い。簡単に空振りしないバットコントロールの良さがあり、夏は20打数7安打。プロの速球投手に慣れていけば、打率を残せて盗塁も量産できる俊足好打の選手になれるだろう。 39位 高尾響投手(広陵) 172センチ73キロ 右投げ右打ち 直球の威力:C 投球フォーム:A 制球力:A 変化球:A将来性:B 指名順位:下位 将来像:西勇輝(阪神) 今年の高校生で最も“勝てる投球”ができる投手。4度の甲子園出場で甲子園5勝、高校日本代表も経験し、実績面は群を抜いている。気になるのは夏の甲子園で不調に陥り、常時130キロ後半にとどまったこと。夏の甲子園後に参加した高校日本代表ではセンバツ時の投球フォームに戻したが、最後まで改善できなかった。 投球術は、大学ではあまりやることはないほどに完成されている。フィジカル強化、フォーム技術のレベルアップをすることでストレートの出力を高めるのみである。 夏は苦しい投球に終わってしまったが、好調時の140キロ後半の速球、130キロ後半のスプリットは攻略困難。高尾の投球センスに惚れているスカウト、球団によっては指名順位が高くなるかもしれない。 広陵では昨年の真鍋 慧内野手(大阪商業大)が順位縛りをしていたように、高尾も順位縛りをしているかもしれない。夏の状態を考えると上位で指名は難しいだろう。ただ、下位指名になってもプロに行くべきだろう。体作りと実戦経験がうまく噛み合えば、十二分に一軍で活躍できる投手になるはずだ。 38位 金渕 光希投手(八戸工大一) 183センチ82キロ 左投げ左打ち 177センチ 右投げ右打ち 直球の威力:B 変化球:B 投球フォーム:B 制球力:B将来性:B 指名順位:下位 将来像:山崎福也(日本ハム) 春の高校日本代表合宿では不調。紅白戦で打たれてしまったが、夏の投球内容はだいぶ改善された。コンパクトなテークバックから繰り出す140キロ前半の速球にスライダー、チェンジアップを低めに集める投球が光った。走者を背負う試合は多かったが、バタバタせずに自分の間合いで投球ができるのが魅力だ。