「ゴミだと思って捨てていた…」愛を込めた “ビーズのかたまり”を 毎日のルーティンがアートに 長谷川敏郎さん【ART MEETS HEART】富山・南砺市
記者「もしかして捨ててました?」 母 京子さん「ええ、かなり捨てました」 「私たち捨てなくなったのは、この福光美術館で、チューリップテレビさんも取り上げていただいた頃から、これはゴミと思ってはいけないんだいうことが、やっとわかった!」 長谷川敏郎さん「あ、あ、あ、あ、失礼、ごめん失礼」 母・京子さん「失礼やよね、本当に失礼やね」 長谷川敏郎さん「それは失礼、それが失礼」 ■ビーズに祈りを捧げる “ルーティーン” 自閉症と知的障害のある長谷川さんは、いつも動き回っていて目が離せない子どもでした。 決まったものしか食べない、毎日、三輪車や自転車で同じコースを回り続けるなど、幼い頃からこだわりは強かったということです。 敏郎さんの1日は、不思議なこだわりがいっぱいです。 事業所に到着するとすぐに大事な道具を取り出して、家から握しめてきたビーズを一粒ずつ並べます。そしてー。 アイロンをかけ始めるまで1時間以上、長谷川さんは、ビーズに祈りを捧げるように儀式のような行動を毎日繰り返しています。 母・京子さん「ラグビーで五郎丸さんが『ルーティン』って言葉をはやらしていただいてから、何となく私たちもこういうこだわりいうことをルーティンって考えればいいんだっていうきっかけ」 母の京子さんが長谷川さんと重ねのたのは、ラグビー元日本代表・五郎丸歩選手のルーティン。 ビーズにはまっておよそ7年、アイロンもすでに5代目です。 自宅でも事業所でも、アイロンビーズを作り続けるのが、長谷川さんにとって最も大切な「ルーティン」です。 ■ゴミか、アートか…それは見る人次第… 事業所の職員の見方も大きく変わりました。 坂田さん「これ耳に、イヤリングにしようかって言ってたやつ。いかがですかね」「としさんは、アイロンビーズをしているというより、アイロンビーズアーティストなんだねっていうような」 母・京子さん「敏郎が大好きだった祖母が亡くなった時の法事のお客さんへの引き出物です」