新米売れ行き好調 販売加速も供給追い付かず
2024年産新米の卸からスーパーへの販売が、前年の2倍以上のペースで進む。店頭で精米商品の欠品が多発する中、調達や販売を前倒しで進めている。ただ、23年産の持ち越し在庫が不足しており、全体の販売数量は前年割れが続く。関東のスーパーからは「まだ供給が追い付いていない」との声もある。 農水省が、大手米卸10社がスーパーなどに販売している精米の量を調べた。 24年産米のスーパーへの販売数量は8月以降、前年超えが続く。関東産が出回り始めた中旬以降はペースが加速しており、17~23日は前年同期比1・9倍、24~30日は同2・3倍、31~9月6日は同2・5倍となった。7~13日も同2・4倍となる見込み。 一方で、23年産米を含む全体の販売数量は、8月17日以降、前年割れとなる。9月7~13日は同11%減となるなど減少幅が拡大する見込み。「当面は店頭の品薄感が解消されない」(関東のスーパー)とした指摘もある。 そうした状況下で、24年産米の売れ行きは好調。千葉や茨城の新米「コシヒカリ」は5キロ3000円を上回るなど前年産より高値水準で店頭に並ぶものの、「飛ぶように売れている」(同)。今後、東北や北陸など主力産地の新米流通が本格化。スーパーでの販売動向が注視される。
日本農業新聞