なぜ世界卓球で伊藤美誠だけが中国に勝てたのか?
伊藤は試合後、気持ちの面でも「以前は中国人選手は強い、負けても仕方ないという気持ちがあったが、今は負けたらめちゃくちゃ悔しい。今回は『絶対、勝ちたい。そして勝ちに行く』という強気で臨んだ」と自身の心境に変化があったことを明かした。 また、マッチポイントを握られた絶体絶命の場面では、「どのゲームもサーブからの展開がすごく良くて、あの時も自分のサーブだったのでチャンスはあると思った。あとはレシーブで1本取れれば大丈夫だと思った」と、やはりサーブ・レシーブが試合展開の鍵を握ったことにも触れた。 チームは敗れたものの、世界王者の中国に土をつけた伊藤の卓球に打倒中国のヒントがあるのかもしれない。今後の日本にとっては大きな収穫になったはずだ。 この後、伊藤は香港オープン(5月22~27日)からワールドツアーに戻り、翌週に同ツアー最高格付けのプラチナ大会である中国オープン(5月29~6月3日/深セン)、そしてワールドツアーで唯一、日本開催のジャパンオープン(6月6~10日/北九州)に出場予定。中国オープンではドローにもよるが、中国人選手と再戦する可能性が高い。 (文責・高樹ミナ/スポーツライター)