“医師”と“陸上選手”の二刀流!広田有紀が“現役選手”にこだわるワケ…日本選手権へ「力強い走りで恩返しを」
多忙な二刀流生活「選手はそろそろ厳しい…」
一方で、救急科では夜勤もあり、その場合は日中に練習してから勤務に当たっている。短い時間でも体を休められるよう、研修医室の机には枕が用意されていた。 「机の上で寝る用の枕。限界ならこれで寝る。たぶんいい枕」と笑う広田だが、空いた時間を活用して、患者の情報や研修した科で学んだことをパソコンでまとめている。 スマートフォンと連動させることで、すぐに患者の対応を確認することができるという。「睡眠時間を確保したいので、勤務時間内にやれる勉強をしている」 アスリートとして栄養面にも気をつけているという広田のお弁当は自分で作ったものだ。 「おかずは生姜焼きとサケと卵焼きと…タンパク質ばっかり。脂は少なめにしようと思っているが、卵焼きの中にチーズが入っている」と笑顔を見せた。 選手と研修医の二刀流で、多忙な生活を送る日々だが…「いまは研修医だからこそ色んな責任がまだ少ないが、ここからまた来年以降は専攻医と言って、一つの科に絞って責任を持った状態で働くので、そうなったからには陸上選手はそろそろ厳しいかなと思っている」
日本選手権に向け準備も「スタートラインに立てるか…」
そんな中、発表された日本選手権の新潟開催。 本来であれば広田は2024年4月から別の病院で研修する予定だったが、大会までの間、練習場所に近い新潟大学病院で研修できるよう病院長に直談判したと明かす。 「新潟市陸上競技場だったら午後9時まで開いているし、帰宅途中にあるので、練習をサボることができない。練習はどれだけルーティン化できるかが大事だと思っている」 しかし、広田は2024年4月のレースで左足のアキレス腱を負傷。5月の公開練習でも、トラックで走ることができなかった。 「事実を色々言うと、結構足が厳しい状態で、スタートラインに立てたらいいなくらいの状態ではある。なかなか歯がゆい。やっぱり腱を使わないと足もなまってしまって、いま左のふくらはぎがかなり落ちてしまっているような状態。そこの面で視覚的にも不安を感じているが、そこで焦っても意味ない」といまの心境を吐露する。