「目指す夢は東京ドーム」新劇場公演で宣言、20周年イヤーのAKB48が今こそ見せようとしているもの
東京ドームの意味
「さすがに無理では?」そんな声が聞こえてきそうだ。それでいい。だとしたら、2005年のAKB48を取り巻く環境と同じではないか。AKB48は無理だと思われているところから始まるのだ。 この日、秋元氏はファンとともに劇場公演の初日を観たという。スポーツ紙の取材に応じた秋元氏は、「AKBの第二章が始まるような、『これから新しい伝説を作る。ここからだ!』という思いを一番強く考えて(新公演の楽曲を)作った。(中略)想定外を信じてほしい。黄金期を今のメンバーでまた作るんだ」と話した。 今まで、総監督の倉野尾は、「簡単に東京ドームという言葉を口に出すべきではない」と話す慎重派だった。現実を考えれば、気軽に目標設定はできないと考えていた。しかし、彼女は総合プロデューサーの書いた歌詞に心を動かされたようだった。氏のメッセージを要約すると、「そんな現実なんかどうでもいいんだ。そうではなくて、君たちが夢を見なくて、誰がついてくるというのだ」ということだろう。届けられた歌詞を読み、倉野尾の心が動いた。だから、「目指す夢は、東京ドームのステージです」と宣言したのだ。 エンターテインメントとは、見る者の心を動かすことが目的だ。現実を見ている者が誰かの心を動かすことなどできない。ステージに立つ者がまず心を動かすことで、それが観客に伝播していく。秋元氏の言いたいことは、そういうことではないだろうか。アイドル界の現状を見渡してみると、AKB48は先頭を走っているとは言えない。だが、ここから大逆襲に転じ、再びトップを奪い返したとしたら、どうだろう? これほど熱いドラマは我が国のアイドル史に存在しない。 20周年イヤーに突入したAKB48が見せようとしているもの、それはドラマだ。どれほど劇場が最新のものになったとしても、それは不変なのではないだろうか。
ENTAME next編集部