ペアローンでマイホームを購入し、その後離婚。しかし実家に戻った元妻の支払いが滞っている! 私が元妻の分も払わなくてはいけませんよね?
Aさんは年収600万円、Aさんの元妻は年収500万円、ペアローンでマンションを購入しました。しかし数年後、離婚することに。元妻は1人息子と実家に戻り、Aさんはそのままマンションに住んでいます。 最近になり、元妻の返済が滞っていると通知が! 連帯保証人であるAさんは元妻の分も支払い続けないといけないのか、相談にいらしました。離婚後のペアローンで、どちらかが支払いを滞納している場合の解決法をいくつかご紹介します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
ペアローンとは
夫婦共働きで2人とも一定の収入を得ている場合は、不動産会社から「ペアローン」を勧められることがあるかもしれません。都心部を中心にマンションが高騰する中、1人ではなく2人でローンを組んで借入額が増やせる「ペアローン」は、魅力的に思えるでしょう。「ペアローン」の特徴をまとめると表1になります。 【表1】
「ペアローン」は、1つの物件に対して夫婦が同じ金融機関でそれぞれ別にローンを組む方法です。ローンが2本のため、金利タイプなどの借入条件は、夫と妻で別の条件を設定できます。 例えば、総額5000万円の住宅ローンを組むのであれば、夫が固定型で3000万円を30年間、妻が変動型で2000万円を15年間とすることができます。物件の所有権の割合は、資金負担金割合となります。
「ペアローン」のメリット・デメリット
「ペアローン」の大きなメリットは以下のとおりです。 (1) 2人で借りるので借入額を増やすことができる (2) 夫婦ともに住宅ローン控除を利用できる 住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税などから最長13年間差し引くことができるというもの (3) 「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」が夫婦ともに適用される場合がある 自宅売却時に条件を満たせば夫婦どちらも適用されて、最大で6000万円までの譲渡所得が非課税になります。もし、物件の価値が売却時に大きく値上がりしていれば、控除額が大きいのはメリットとなるでしょう。 一方、デメリットは以下のとおりです。 (1) 相手の連帯保証人になっているので、収入減などで相手が返済できなくなると、自分のローンに加えて相手のローンを返済する義務が生じる (2) 団体信用生命保険(団信)は、それぞれが加入する。そのため、相手が万が一死亡した場合は、団信で返済されるのは死亡した人の債務のみとなり、自分のローンは残る (3) 印紙代などの事務手数料は2人分の費用がかかる