人生最良の日々を送る「元悪童」ボアテング【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
世界最高峰のバルセロナがなぜ32歳を欲しがったのか
ボアテングのバルサ移籍に関する地元紙のアンケートは、78パーセントが「納得できない」と回答。そのユーティリティー性で評価を覆せるか。(C)Getty Images
かつて札付きのワルとして知られたボアテング。ただ、いまは違う。ピッチ外では人種差別と闘うフットボーラーとして尊敬を集めるほどだ。今冬にバルセロナへ移籍し、人生最良の日々を送る元悪童の半生を振り返る。(文:ルドガー・シュルツェ・訳:安藤正純 2019年3月20日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック ドイツ』を転載) ―――◆―――◆――― たった一度の荒っぽいプレーにより、ケビン=プリンス・ボアテングは故郷のドイツを敵に回してしまった。 2010年5月15日、FAカップ決勝のポーツマス対チェルシー。この大一番に臨んだポーツマスのボアテングはハーフタイム直前、チェルシーの司令塔ミヒャエル・バラックに猛烈なタックルを仕掛け、目前に控えていた南アフリカ・ワールドカップ出場が不可能となる重傷を負わせたのだ。 代表チームを支えてきた絶対的エースを
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