犠牲者追悼111発「いのちの輝き」 珠洲・見付海岸で有志が花火
能登半島地震の犠牲者を追悼しようと、有志の呼び掛けで10日、「花火 いのちの輝き」(北國新聞社後援)が珠洲市宝立町鵜飼(うかい)の見付海岸で行われ、慰霊の願いを込めた111発が打ち上げられた。訪れた人は被災地を照らす光の大輪を見上げて亡くなった人を思い、一日も早いふるさとの復興を願った。 地震で大きく崩れた見附島を「あの世とこの世を橋渡しする船」に見立て、島に向けて花火が次々と打ち上げられた。花火玉には、故人に宛てて遺族や親類らから募った感謝のメッセージが記され、会場で一部が読み上げられた。 ●市出身者も協力 催しは、東日本大震災や熊本地震の被災地で追悼行事を重ねてきた芸術家の大志さん(49)=静岡市=の呼び掛けで、珠洲市内の有志が実行委員会を結成して企画した。市出身者らでつくる関西珠洲会と東京珠洲会が協力し、北野天満宮(京都市)の橘重十九(しげとく)宮司=宝立町鵜飼出身=ら市外を中心とした約130の個人や団体、企業も協賛した。 横浜市から駆け付けた東京珠洲会の本田ゆり子幹事(65)は「地震で同級生を失って悲しいが、花火と草木が茂った見附島を見て元気が出た」と語った。関西珠洲会の北沢達成事務局長(60)=大阪府高槻市=は「ふるさとの子どもたちに勇気を与えられたのではないかと思う」と開催の意義をかみしめた。