無形文化遺産登録へ「日本酒文化の再認識の環境を」熊本の酒蔵も期待
熊本朝日放送
日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録される見通しとなり、熊本県内の酒蔵は新たな可能性に期待を寄せています。 120年以上の歴史を持つ熊本県和水町の花の香酒造。神田清隆社長は「国外の方にたくさん知っていただくきっかけをいただくことは、非常にうれしいですし、日本酒って日本文化の根幹になるお神酒からなる文化なので、そういうところがきちっと認められるのは、国内の教育として非常にいいのかなと思いますね」 「伝統的酒造り」は、穀物を原料とするこうじ菌を使い、各地の気候風土に合わせて杜氏などが築いてきた独自の文化です。 「我々は地元の特徴というか、個性を美味しさに変えようという、基本的な伝統的なものに戻していこうということがあって、地元のものにこだわっている」 原料となるコメは、すべて菊池川流域の地元のものを使用。伝統的酒造りならではの複雑な工程も魅力の1つです。 神田社長に案内されたのは木桶部屋。 「江戸時代と同じような製法で、お酒造りをしている基本的にビールもワインも世界中のアルコールは単発酵という、単純に糖を酵母が食べてアルコールを発酵するけど、日本酒だけは糖が米にはないので…」 日本酒の場合は、米のデンプンをこうじ菌の酵素で糖化し、その糖を酵母の力で発酵させる必要があります。 「これを1つのタンクでコントロールするお酒の中でも非常に難しいもの。木桶はちょっとした穴に菌や微生物がすみつくので、木桶によって味わいが変わるので、それがまた、うちの特徴だったりする。江戸時代と同じような製法だと、同じものを再現するのを難しいが、微妙なテクスチャーの変化もファンの方々は好んでくれていると思う」 フランスのコンテストで特別賞を受賞するなど世界でも認められてきた花の香酒造。無形文化遺産への登録を、今後どのようにつなげていきたいのか聞くと― 「より多くの若者たちが日本酒を文化として感じてくれるのが、第一にうれしい。また、文化としてみなさんが知っていただく再認識の環境がつくれればいいな」