爆風スランプインタビュー「“IKIGAI”があれば楽しく生きていけるよって、希望を持ってもらえるんじゃないかなと感じました」
デビュー40周年の節目に再集結を果たし、26年ぶりの新曲&ツアーを発表した爆風スランプ。新曲「IKIGAI」は、独特のラップ調のメロディに超絶テクのファンクがミクスチャーされた、まさに爆風印としか言えないナンバーとなった。パンクでファンクでロックでポップで、けれど既存のどれにも当てはまらない自由なアプローチを貫き続ける爆風スランプの4人に、再集結のこと、そして新曲の制作について聞いた。 【全ての写真】デビュー40周年の節目に再集結を果たした爆風スランプ(全18枚)
「ラップというものに対してずいぶん前から自分たちなりのアプローチをしてきた」(ファンキー末吉)
――再集結のきっかけは40周年というのが大きかったんですか? サンプラザ中野くん(以下、中野) はい。あとはコロナが大きかったなって思っています。コロナの期間って、やっぱり音楽ができなかったし、このままどうなるんだろうって感じでしたからね。かなりの逼迫感というか切迫感がありましたよね。それが明けて、できるじゃんってことになって、そのタイミングで40周年というものもすぐ前に見えていたので、爆風を動かしたいということを2年くらい前からスタッフと話をしていました。 ――集まるのに何か難しいことというのはありませんでしたか? 当然ながら、個々人での活動がある中での再集結となるわけですから。 ファンキー末吉(以下、末吉) いや、別にそれはなかったかな。 中野 末吉が中国でどんな活動をして、どういうスケジュールで動いているかというのが分からなかったので、なのでかなり早めに動き始めました。 末吉 もう、「喜んで!」って感じでしたね。 ――集まってまずは何をされたんですか? 末吉 4人揃ってだとジャケ写の撮影でした。 中野 ジャケ写じゃなくて宣伝用のアー写だね。 末吉 そうかそうか。 ――再集結するという時点で何をやるかというのは決めていたんですか? 中野 いや、どうだったかな。集まる前のオンラインでのミーティングで新曲を出そうっていう話をしたのは覚えていますね。 末吉 中野はかなり早い段階で新曲を出したいって言ってたよ。 ――活動休止以降、これまで二度ライブでの復活はありましたが、曲を出すというのは初めてですよね。このタイミングで動かすのであれば、これまでとは違って大きなものにしていきたいというイメージはあったんですか? 中野 そうですね。何しろ40周年だし、さっきも言いましたけどコロナ明けで、ここでちゃんと動いておかないと何があるか分からないからやれる時にやっておこうと。 パッパラー河合(以下、河合) あと、50周年になると、集まれる可能性が著しく低下するから(笑)。 末吉 確かに、今のうちっていうのはあるね(笑)。和佐田さんが大病したのって何年前だったっけ? バーベQ和佐田(以下、和佐田) 7年前。 末吉 もう7年前になるんだ! いつ大きな病気になるかも分からないから、集まれるうちに集まっておこうっていうのは正直なところありましたよね。 河合 やっぱロウソクは消える前の一瞬、輝きを増すんでね(笑)。 ――新曲「IKIGAI」の曲作りはどういうふうに進めて行ったんですか? 中野 去年の暮れくらいだったかな、まず私の方からテーマを示したんですよ。「IKIGAI」っていうテーマを。それで、そのテーマに基づいて曲を作ろうっていうことになったんですけど、なかなか曲ができてこなくて。じゃあ俺も作ろうということで、ウクレレを持って、レゲエ調のメロディに歌詞をつけたものを出したんですよ。そしたら末吉が詞だけ生かしてくれて、今の原型をすぐに返してくれたんです。「えー! ラップですか?」って思って(笑)。ヤバいなって思いました(笑)。 末吉 俺の中ではラップに対してそんな驚くとは夢にも思ってなかったから。だって「嗚呼! 武道館」(1985年リリースの4thシングル)と一緒じゃんって。他にも過去にラップの曲があるから。まあ、でも時代が違うもんね。今はラッパーがたくさんいるからね。 中野 そうなのよ。 末吉 だから今のラップとはまったく違う語りのようなラップ、「語(かた)ラップ」です。