12月らしい寒さ続く 日本海側を中心に荒天・降雪かなり多くなる可能性 2週間天気
寒気が流れ込みやすい状況が続く原因 ラニーニャ現象の特徴だけじゃない
ラニーニャ現象の特徴が顕著になっており、インドネシア付近で対流活動が活発になっています。この影響で、中国大陸南部の上空では高気圧の勢力が強まり、偏西風が北へ蛇行しています。その東の日本付近では、偏西風は南へ下がり、寒気が流れ込みやすくなっています。 この先、ラニーニャ現象の特徴だけでなく、日本付近に寒気が流れ込みやすい条件が重なります。 ひとつは、「負の北極振動」が顕著になり、一週間程度、場合によってはそれ以上続くことです。「負の北極振動」とは、北極付近の気圧がいつもより高く、日本などがある中緯度域の気圧がいつもより低くなる現象です。シベリア付近の動きの遅い高気圧(ブロッキング高気圧)が、今後、北極海に移動するため、「負の北極振動」が顕著になるでしょう。「負の北極振動」が顕著になると、北極付近から、日本付近をはじめとした中緯度域に寒気が流れ込みやすくなります。 もう一つは、北半球上空にある西から東への風の流れ「偏西風」の蛇行が維持されることです。偏西風の蛇行があると、北極側からは寒気が流れ込みやすくなり、南からは暖気が流れ込みやすくなります。この先、ヨーロッパ西部の上空ではいつもより気圧が低くなります。その東ではいつもより気圧が高くなります。気圧の東西の高低があたかも波のように東へ伝わり、気圧が低いエリアと高いエリアが交互に並びます。その結果、日本付近の上空は気圧が低くなり、偏西風は南への蛇行が維持されることになります。 上の図は、北半球の上空5500メートル付近の大気の流れです。9日から16日の予想で、青いエリアは高度が平年より低く、オレンジのエリアは高度が平年より高いことを予想しています。この期間は、ヨーロッパ付近から、高度が低いエリアと高いエリアが交互に並び、日本付近は低いエリアになっています。偏西風は、日本付近で南へ蛇行することが予想されており、その結果、日本付近に寒気が流れ込みやすくなるのです。
日本気象協会 本社 白石 圭子