社会に出たときに「学力」より重要なスキルとは 新渡戸稲造の教えから学ぶ「見つけ、行動し、周りを巻き込む」力
時間もスタッフも足りない
現在の学校の変容の結果に、山藤さんは新たな課題も感じ始めている。 新渡戸文化学園の取り組みが有名になりはじめると、受験する生徒が増えてきた。それは喜ばしいことであるが、成績の良い生徒を集めて育てることは山藤さんの当初の目的ではない。 「成績が高い生徒だけでなく、教育活動に共感し、新渡戸で挑戦したいと思う生徒を育てたい。そのためにはどのような生徒を集めたいのか、メッセージの出し方が難しい」という。 探究学習に火がついて生徒が活発に活動すると、教師も忙しくなる。探究学習を指導するためには教師自身も自分の生き方を問う時間が必要だ。それには時間もスタッフも足りない。そこをどうやって解決していくか。 山藤さんのチャレンジが同校において始まって6年。これから卒業生がさらに増える。どのような生徒が育つか大変楽しみだ。
朝日新聞社