<里崎が語る>7、8、9回の整備から読むセ・パ順位予想
いよいよプロ野球が開幕。僕は、キャンプイン前に昨年の成績とオフの補強を踏まえた上で戦力分析をして予想を立てていたが、オープン戦での各チームの調整状況を見ても予想順位は変わらない。パ・リーグは、ソフトバンクとオリックスの2強が軸になってペナントレースが展開するだろうし、セ・リーグは、4位と予想したヤクルトを含めた上位4チームでの混戦になるではないか。 僕は「新戦力や実績が1年程度の選手については計算できない」という考え方を持っている。ただ、そういう選手の活躍や、主力選手の故障アクシデントなど予期できないことが起きるのが野球なので、あくまでも開幕前の“予想”であると理解しておいていただきたい。 勝てるチームの重要な条件として7、8、9回のブルペンの陣容と実力が重要だと考えている。最近、出版した著書「非常識のすすめ」(KADOKAWA刊)に、その持論を詳しく書いたが、先発の3人、打線のバランス、機動力なども、もちろん重要だが、それ以上に勝敗を分けるのが、この7、8、9回なのだ。 長いシーズンを見渡すと、明らかに実力差で勝敗が決まる試合もあるが、最終的に順位を左右していくのは、接戦をどう戦うかである。僅差のリードを守って勝ちきる、もしくは接戦を耐えしのびながら逆転勝利を手にする、そういう勝ちをどれだけ拾っていくかが大切で、そこに大きな影響を及ぼすのが7、8、9回の人材と投手布陣、そしてベンチワークなのだ。 7、8、9回で得点ができないとなると、相手ベンチの攻撃のマネジメント方法も変わってくるし、逆にそういう3枚を持っている側は、先発投手の配球にも余裕が生まれる。かつて、ロッテのYFK(薮田、藤田、小林)、阪神のJFK(ウィリアムズ、藤川、久保田)、最近では、巨人のマシソン、山口、西村の3枚が勝利の方程式として機能して優勝を手にした。日本の場合、先発優先型の考え方があるので、中継ぎ、抑えの3人もしくは4人が充実しているチームは、必然的に先発も揃っている。今回、僕は、その7、8、9回の陣容を中心にチェックして順位予想に反映してみた。