<里崎が語る>7、8、9回の整備から読むセ・パ順位予想
パ・リーグの順位予想は以下だ。 1ソフトバンク 2オリックス 3ロッテ 4西武 5日ハム 6楽天 ソフトバンクは、五十嵐が開幕に間に合わなかったが、森、森福、サファテは万全で先発が余っているくらいだから局面次第では先発から誰かが回ってくる可能性もあるだろう。オリックスも佐藤、馬原、平野と揃っている。こちらも比嘉、岸田は故障で出遅れているが、いずれ揃ってくると見ている。 3位のロッテ以下の4チームは混戦になると予想するが、この4チームの抑えで信頼が置けるのはロッテの西野と西武の高橋くらい。ただロッテは7、8回を任せるセットアッパーが弱く、西武は、その左腕ストッパーが、昨季63試合に投げた影響が心配で、中継ぎのバスケスも新外国人ゆえに計算は難しい。それでも34本塁打でタイトルを分けたメヒアと中村が並ぶクリーンナップの破壊力を買って4位にした。 日ハムも、昨季、途中からガラテ、クロッタという2人の外国人が後ろに回ってチームを立て直した。そこに増井、宮西がいて、7,8、9回は、確かに厚いが、外国人選手枠の問題があるので、どうやりくりするのかのベンチワークも重要だろう。 楽天は、昨季14試合の救援失敗ゲームがある。ブルペンの補強の柱だったミコライオが怪我で離脱、福山というセットアッパーが出てきているが、未経験の2年目、松井を後ろに回さねばならないのでは厳しい。
一方セ・リーグの順位予想は以下だ。 1広島 2巨人 3阪神 4ヤクルト 5中日 6横浜DeNA 黒田が先発に加わった広島は、中継ぎ、抑えが弱いとの声もある。しかし、昨年の前半戦は、一岡からミコライオへつなぐ勝利方程式があった。ヒースは抑えとしては未知数だが、先発の実績はあって一岡の状態も回復しているならば、信頼していいだろう。 巨人は、沢村が新抑え。マシソンの不調で先発に回るはずだった西村が中継ぎにスタンバイするらしいが、西村、山口、沢村の3枚は計算が立つ。 阪神はオ・スンファンの前を福原、安藤のベテランで1シーズンを乗り切るのは厳しい。そこに若手が出てきているが、オープン戦の結果は信用できない。それに加えて阪神を巨人より下にした理由は、鳥谷のバックアップメンバーがいないこと。鳥谷が怪我でもすれば戦力バランスが大きく崩れる。その選手層は巨人と大きく違う。 Bクラスにおいたヤクルト、中日、横浜DeNAの3チームは、9回を任せる抑えさえ不安定だ。ヤクルトの新外国人、オンドルセクは未知数だし、中日も岩瀬の故障で、2年目の又吉から3年目の福谷と、若手に後ろを委ねることになった。 横浜DeNAに至っては、ルーキーながら守護神をまかされていた三上が肘の不調で、国吉か、ルーキーの山崎かとテストしている段階で開幕を迎えることになっている。 優勝を狙うためには「7、8、9回の布陣の整備が重要」という僕の理論が、どうあてはまるのか。そこに注視して野球を見てもらえば、ファンの方も、その役割の重要性を再確認すると共に新しい発見をするのかもしれない。 (文責・里崎智也/千葉ロッテSA、評論家/構成・本郷陽一)