第二種奨学金で借りた利子付きの250万円。無事就職したけれど、返済までどのくらいかかる?
(※2を基に筆者作成) 例えば、貸与総額が250万円であった場合は、下式のとおり返還期間が15年となります。 貸与総額÷割賦金の基礎額=250万円÷16万円=15.625 従って、250万円貸与された場合の返還年数は、15年になります。 3. 返還方式と返還期日 第二種奨学金の割賦は、月賦返還または月賦・半年賦併用返還のいずれかを選択することができます。 返還は、貸与終了の翌月から数えて7ヶ月目の月(3月に貸与終了した場合は10月)の27日から始まり、毎月27日に月賦分が振替用口座から引き落とされます。併用返還の場合は、1月と7月の27日に、月賦分と半年賦分の合計額が引き落とされます。 4. 返還月額 月賦返済の場合は、貸与総額(借用金額)および貸与総額に応じた返還回数で元利均等計算して得た額に、据置期間(6ヶ月分)の利息を返還回数で割った額を上乗せした額を、毎月返還します。 なお、併用返還の場合は貸与総額(借用金額)を二分し、月賦分、半年賦分の返還月額を、それぞれの返還回数により算出します。 例えば貸与総額250万円、利率固定方式の利率0.905%、10月から15年間かけて返還した場合、返還月額は図表4のとおりとなります。 図表4
(※3を用いて筆者が算出して作成)
まとめ
日本学生支援機構が運営している奨学金には、給付型と貸与型があります。給付を受ける学生の学力と、学生の生計を維持している世帯の収入には、制限が設けられています。また、貸与型の奨学金で有利子の第二種奨学金は、利用制限が一番緩く、多くの学生が利用しています。 第二種奨学金の利率固定方式を選択し、総額250万円貸与された学生が2023年3月に卒業した場合、2023年10月から15年間かけて返還することになります。月賦で返還した場合の返還額は月額1万4919円で、返還完了時期は2038年9月になります。 奨学金は、経済的に進学が困難な学生にとってはなくてはならない制度ですが、貸与型の奨学金は学生本人が卒業後に長期間にわたり返済しなければなりません。特に第二種奨学金は、毎月最大12万円まで利用することができますが、返済時の負担を考慮して、必要最小限の金額に止めることをお勧めします。 なお、奨学金制度は、毎年のように見直されています。文部科学省(※4)や日本学生支援機構(※5)のホームページから最新情報を確認することをお勧めします。 出典 (※1)日本学生支援機構 奨学金事業への理解を深めていただくために (※2)日本学生支援機構 2023年度返還のてびき 2023年10月から2024年9月貸与終了者用 (※3)日本学生支援機構 奨学金貸与・返還シミュレーション (※4)文部科学省 大学・大学院、専門教育 (※5)日本学生支援機構 奨学金 執筆者:辻章嗣 ウィングFP相談室 代表 CFP(R)認定者、社会保険労務士
ファイナンシャルフィールド編集部