不自然さ問う検察側の追及に数秒間の沈黙…ドンファン元妻「わかんないです」 紀州のドンファン公判 被告人質問詳報
検察官「本当に?」
被告「はい」
検察側は、同年4月20日~同年5月23日(死亡前日)の同時間帯のアプリの記録を示す。0回が12日で最も多く、1回が8日で続く。全ての日に野崎さん宅に滞在していたわけではないが、8回は一度もなく、5回と6回もそれぞれ1日しかなかった。
検察官「8回は不自然ではないか」
被告「5回であれば、3回しか違わない」
こうした回答を予想していたかのように、検察側は説明を追加する。5回と6回の記録があった日、被告は車の教習所に通っており、教習所での滞在時間を除けば回数は2~3回に減るというのだ。
■証言台で直立
一連の質問の中で、検察側は野崎さん宅の階段の勾配を尋ね、被告は「今まで上った階段と比べても『急だな』という印象」と答えていた。検察側の質問には、負担がかかるだけに連続して上り下りすれば記憶に強く残りうることを示す狙いがあったとみられる。
検察官「(死亡日以外は)最大でも3回。8回は不自然では」
被告「多いなって思います」
検察官「なぜ多いか分からないか」
被告「うーん。(数秒間沈黙した後に)わかんないです」
検察官「(8回は)日常ではないのでは」
被告「うん」
検察官「頑張って理由を思い出せないか」
被告「思い出せない。普段は1階にバッグを置いているが、2階に置くこともある。そのときはバッグの中身を取りに行くのに回数が多くなっちゃったのかな」
検察側の質問の途中でこの日は閉廷。15日に3日目の被告人質問が行われる。被告は裁判員が法廷から出ていくのを、証言台の前から動くことなく直立で見送り、最後に一礼。その後、自らも法廷を後にした。