不自然さ問う検察側の追及に数秒間の沈黙…ドンファン元妻「わかんないです」 紀州のドンファン公判 被告人質問詳報
野崎さんの死亡から約3年後に逮捕された被告。捜査段階では、この購入依頼の話をしていなかったという。
検察官「なぜ」
被告「言ったらどうなるか分からなかった。人殺し扱いだったし、言ったらどうなるか怖くて」
検察官「説明すればよかった」
被告「信じてもらえるとは思わなかった。刑事たちの間でストーリーができているんだなと思って言えなかった」
検察官「(任意で捜査を受けていた時期に)弁護士に警察との間に入ってもらっていた。そのときは」
被告「弁護士にも言っていません」
■「パパ活みたいなことを普通は言わない」
この日も上下黒のスーツ姿で出廷した被告。質問する検察官へまっすぐ視線を向け、ときに質問を咀嚼(そしゃく)するようにうなずきながら聞く。
野崎さんと被告は30年2月に結婚。被告は家族や友人に結婚を知らせていなかったが、その理由を「契約みたいな結婚で、愛し合ってする結婚ではないので」と語っていた。
検察官「周囲に結婚したことを言ってもよかったのでは」
被告「えっ。そんな普通の結婚ではないので、言い触らすものではない」
検察官「あなたは友人からお金持ちだと思われていた。そのキャラというか評価を崩したくないと思ったのでは」
被告「パパ活みたいなことを普通は言わないと思います。バレなければいいと」
検察官「何をバレなければいいと」
被告「『パパ』がいることを」
■亡くなった当日、被告は…
検察側が続いて言及したのは、野崎さんが死亡した当日(30年5月24日)の被告の行動だ。検察側は冒頭陳述で、犯行時間が午後4時50分から午後8時ごろとした上、被告のスマートフォンの健康管理アプリには、この間、野崎さんが死亡していた2階へ8回上がった記録があると指摘していた。
この記録について弁護側の質問には、「2階と1階との行き来は日常茶飯事なので覚えていない」と述べていた。
検察官「日常茶飯事ということは8回の行き来は不自然ではない」
被告「そうです」