不自然さ問う検察側の追及に数秒間の沈黙…ドンファン元妻「わかんないです」 紀州のドンファン公判 被告人質問詳報
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとして殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判は11日午後、検察側の被告人質問が行われた。午前中の弁護側の質問には、自身の潔白を饒舌(じょうぜつ)に語っていた被告。検察側から被告の説明と事実との齟齬(そご)を指摘されると、しばらく沈黙した後に答える場面も複数回あった。 【写真】「ゴム手袋をつけて…」元妻・須藤早貴被告が語った紀州のドン・ファンとの“初夜” 若者口調で感情露わに ■覚醒剤の購入依頼 検察側がまず取り上げたのは、野崎さんから覚醒剤の購入を依頼されたことがあるとする被告の供述。被告の説明によると、野崎さんが死亡する前月の平成30年4月1日、野崎さんから「覚醒剤でも買ってきてくれないか」と20万円を渡された。しばらくは放置し、いったん20万円はATMに入金したが、後日、催促されたため、インターネットで見つけた密売人と連絡を取ったという。 検察官「20万円は」 被告「受け取ってわりとすぐ入金した」 検察官「時間は」 被告「覚えていないが受け取った日の夜になると思います」 ここで検察側は入金記録を示す。そこには確かに4月1日にコンビニATMで20万円を入金した記録があったが、時間は午後2時58分となっていた。「夜」とはいえない時間で、被告の説明とは食い違う。これを受け、被告はすぐに日付を修正する。 被告「1日の昼に入金しているのであれば、(受け取ったのは前月)31日の夜になります」 ■「人殺し扱いだった」 検察側は追及を強める。 検察官「勘違いか」 被告「記憶が混ざっていた」 検察官「この20万円は交通費ではないのか」 被告「交通費は社長(野崎さん)が直接払っていたので、交通費ということはないです」 検察官「これ以外に覚醒剤の購入を頼まれたことは」 被告「これだけです」 検察官「野崎さんが覚醒剤を使ったり持っていたりするのを見たことは」 被告「ないです」