アストンマーティンのニューウェイ加入発表会に、レッドブル代表が不満「我々との契約中であり、やや時期尚早」
レッドブル代表クリスチャン・ホーナーは、F1デザイナーのエイドリアン・ニューウェイがまだレッドブルと契約中であるにもかかわらず、アストンマーティンが彼の加入を大規模な発表会によって公表したことについて、不満を示した。 【写真】アストンマーティンF1チームの発表会に登場したエイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンは9月10日、シルバーストンの拠点で発表会を開催し、ニューウェイが2025年3月に新たにマネージングテクニカルパートナーおよび株主としてチームに加わることを明らかにした。 F1史上最も優れたデザイナーといわれるニューウェイは、年間推定2500万ドル(約35億円)の報酬を得ることになるとも報じられている。これはF1デザイナーとしては記録的な報酬額だ。アストンマーティン会長ローレンス・ストロールは、今後の数シーズンでアストンマーティンをグリッドのトップに押し上げるという目標をかなえるため、多額の報酬を支払うことを決めた。 一方、ホーナーは、ニューウェイの移籍先となるアストンマーティンが行った発表のタイミングに不満を抱いている。 「アストンにとって大きな発表だった。エイドリアンはいつも自分のやりたいことをやる傾向がある。チームにとって大きな瞬間だったのは間違いない」とホーナーはやや不機嫌そうに語った。 「彼らは、エイドリアンとレッドブル・レーシングとの契約が終了する前に、おそらく少し早すぎるタイミングでそれを祝うことを選んだ。それはあのチームにとって明らかに決定的瞬間だった」 今年5月にニューウェイがレッドブルから離脱することが発表されて以来、彼の次の移籍先について数カ月にわたって絶え間なく憶測が飛び交い、一時はフェラーリが最有力候補と考えられてきた。 しかしアストンマーティンが動き、フェラーリを上回るオファーを出して、誰もが望む65歳のニューウェイとの契約を確保した。ホーナーはその決定には驚かなかったという。 「それほど驚きではなかった」とホーナーは語った。 「彼が進むべき道は、次第に明らかになっていった。引退するとか、(アストンマーティンとは)違うチームに移籍するのではない道だ」 「当然ながら彼にとっては新たな挑戦となるだろうし、来年彼が去るのは残念なことだが、我々は彼の将来の幸運を祈っている」 ホーナーは、過去20年間にわたるレッドブルの成功の大きな要因となってきたニューウェイの創造性とマシンデザインに対する独自のアプローチを称賛している。 「エイドリアンは言うまでもなく非常にクリエイティブな人物であり、平均的なデザイナーではない。彼はF1でまだ製図板で作業をしている唯一の人物だと思う」とホーナーは付け加えた。 「つまり、必然的にお互いを知り、仕事のやり方などを相互に理解するプロセスが必要になる」 「彼は多くの点でユニークであり、アストンはもちろん彼の豊富な経験を活用しようとするだろう」 レッドブルがニューウェイのいない状況に備えるなか、ホーナーはチームの将来に依然として自信を持っている。 「我々がともに過ごしたほぼ20年間、その間のよいことも悪いことも、とても懐かしく振り返ることができる。しかし、我々は将来に期待しているし、そのための態勢が整っていると考えている」 [オートスポーツweb 2024年09月18日]