阪神今オフ最大の収穫 FA宣言で残留の大山悠輔に「打点王」期待が
「何回も経験したいなと思いました」
今オフのストーブリーグで、ビッグネームを次々に補強したのが巨人だ。ソフトバンクからFA宣言した甲斐拓也を獲得したほか、中日を自由契約になったライデル・マルティネス、楽天を退団した田中将大が入団した。 【選手データ】大山悠輔 プロフィール・通算成績 一方でリーグ連覇を逃したライバル球団の阪神は目立った補強をしていない。だが、今季に向けての戦力整備で100点に近い点数をつけられるのではないか。FA権を取得して動向が注目された大山悠輔、坂本誠志郎、糸原健斗、原口文仁の4人が全員残留を決断したからだ。特にFA権を行使した大山の残留交渉は今オフ最大の懸案事項だっただろう。 巨人から熱心なアプローチを受けて移籍に心が揺らいだときがあったが、最終的にはチームメート、裏方を含めたスタッフ、そしてファンと共に阪神のユニフォームを着て日本一をもう一度目指したいという覚悟が固まった。大山は「日本シリーズの歓声、地鳴りのようなものはなかなかないことだと思うので、それが本当に幸せなことなんだなとは思いました。もう一回、もう一回というか、何回も経験したいなとは思いました」と語っている。
決断を巨人OBが称賛
巨人OBで球団評論家の廣岡達朗氏が、週刊ベースボールのコラムで大山の決断を称賛している。 「阪神・大山悠輔が古巣残留を決断した。FAの権利を取って他球団の評価を聞くのはいい。その結果、育ててくれた球団への感謝の気持ちを優先させた。褒めてやりたい。大山は阪神でプレーすることを誇りに思わなければいけない。お金をもらえればいいという考えは間違っている。お金を終身、もらえるのならともかく、そんな都合のいい話は世の中にないのだ」 「巨人や阪神が他球団の選手を獲らずに自前で教育して勝ったら、私はうれしい。この2球団は模範を示して、ウチの伝統はこうであるという教育をするべきである。大山が巨人に来ていたら、どうなっていたか。阪神時代と同じ成績を残せるとは限らない。逆に巨人で通用したら、それまでレギュラーを張っていた岡本和真ら主力選手がダメだったという証拠。そうではなく既存の選手も切磋琢磨して巨人とはこうだという伝統を教えてもらいたいと思っていたが、阪神に残留。これでいいのだ」