《あきる野市》リフォーム詐欺で逮捕の男、会社社長が明かす「勝手に名刺を作って支店長を名乗っていた」
「うちは企業に住所の名義貸しをしている会社です。そのリフォーム会社はお客さまですから、お話しすることはできません。直接、そちらから電話してください」 とのこと。そこで貞安容疑者の名刺にあった東京支店に電話すると自動音声になり、用件を録音するように案内された。横浜本社の電話も同じシステムだった。用件を吹き込み、待つこと15分。リフォーム会社の代表取締役から折り返しの電話がきた。
“いつか、しょっぴいてやるからな”
「彼は断じて当社の社員ではありません。彼が勝手にうちの名刺を作って、東京支店長を名乗ってやったことなんです。だから、当社による会社ぐるみの犯行ということは、いっさいありません」 代表取締役の男性は、濡れ衣だと主張した。それどころか、今回の事件で被害を被っているという。 「事件が報道されて、ネットでは当社の名前が晒されて、現実に業務妨害になっているわけですから、今は弁護士と法的措置を考えております」(リフォーム会社の代表取締役、以下同) しかしながら、貞安容疑者とは見ず知らずの間柄ではなかった。 「彼は2年程前に1年間ほど、社員ではなく、うちの下請けの塗装職人として働いていたことがあります。いわゆる“1人親方”で、うちの仕事を引き受けていました。仕事ぶりは悪くなかったし、腕のいい職人でしたよ。職人仲間もいて、悪いことをするような人柄ではなかったと思うのですが……」 ただ、気になる点もあったという。 「彼はもともと、あきる野市が地元で、以前に警察から“いつか、しょっぴいてやるからな”と言われていたそうです。もしかしたら、彼を逮捕することで、いま全国で起きている詐欺や強盗でつながっている仲間たちとのつながりを警察が探ろうとしているのかもしれませんが……」 たしかに、貞安容疑者は氏名不詳の共謀者と今回の事件を起こしたと警察は発表している。腕のいい職人がなぜ、嘘で金をだまし取る詐欺師に落ちてしまったのか――。