東京拘置所で「矯正展」 確定死刑囚らが暮らす“閉ざされた塀”の中で行われるイベントとは?【10月5日開催】
10月5日土曜日、東京拘置所(東京都葛飾区)で「第11回 東京拘置所矯正展 ~『まち』とともに~」が開催される。 オープニングゲストには俳優・緒形直人さんが登場 9時30分からのテープカットには、1日所長を勤める俳優の緒形直人さんが登場。そのほか、刑務所作業製品や拘置所レシピによるカレーの販売、矯正広報を目的とした展示などを通して、「地域と共生する開かれた施設運営」を目指す。
刑事施設を訪れる貴重な機会
拘置所は、未決拘禁者(刑罰が確定していない被疑者〈容疑者〉、被告人)や確定死刑囚を収容する刑事施設で、全国に8か所設置されている。矯正統計調査によると、東京拘置所はもっとも規模が大きく、2023年末時点で1605人を収容。うち47人は確定死刑囚だ。 刑務所などでは、懲役刑受刑者の改善更生を目的に刑務作業が行われ、日用品や家具などさまざまな製品が作られている。矯正展は、これらを展示・販売し、刑務作業の重要性や現状の認知を広げる役割を担う。駅や商業施設で開かれる場合もあるが、今回のように普段は一般人が足を踏み入れることのない刑事施設で実施されることもあり、貴重な機会と言えるだろう。 東京拘置所矯正展も、例年1万人以上が訪れる人気のイベントだ。新型コロナの影響で2022年、2023年と縮小せざるを得なかったが、今年は以前の規模に戻して開催するとして、担当者も意気込みを見せる。
刑務所作業製品「質がよく安価」
刑務所作業製品の販売ブースでは、函館少年刑務所より人気の「マル獄シリーズ」製品が、青森刑務所から「津軽塗印鑑」、市原刑務所から「生しいたけ」などが出品される予定。ほかにも、木工製品や革製品などを手頃な価格で購入することができる。 刑務官の監視、そして専門職員(作業専門官)の指導によって製造されるこれらの製品は、「質がよく安価」であることから根強いファンも多い。担当者は「お目当ての製品がある方は早めに来場いただければ」とアドバイスする。 なお、これらの売り上げは製品の原材料購入資金として使用されるほか、一部は、犯罪被害者支援団体への助成金としても活用されるという。 飲食品の販売も行われ、拘置所レシピで作られたカレーはもちろん、近隣自治会の出展には焼きそば、もつ煮込みなどが並び、飲食店のキッチンカーも複数来場する予定だ。