「乳がん再発リスクを減らしたい」ホルモン治療中の栄養士が意識している“食材”と気づいた“前兆”
「豆を欠かさず食べていたら、まつげが生えてきた」
がんは1センチのボタン程度の大きさで、医師からも「よく見つけられた」と褒められたほど。幸いにも転移のないステージ1のがんで、手術後は約1週間で退院。ただ女性ホルモンが影響するタイプの乳がんだったため、手術からしばらくたってホルモン療法をスタートする。 「1日1錠の飲み薬を丸5年間飲み続けるのですが、事前に医師から骨粗しょう症などの副作用が出る可能性があると聞いていたので、大学時代に学んだ“四群点数法”の食事法を、より一層意識するようにしました」 四群点数法とは、女子栄養大学が考案した食事法で、食品を4つのグループに分け、バランスよく食べながらカロリーのコントロールができるのが特徴。1日3食の健康的な食生活の成果で体重増加もなく、今泉さんの骨密度は治療中でも20~30代並みを維持。ただ、副作用はそれ以外にも多岐にわたっている。 「もともと髪の量は少ないのですが、抜け毛が増えて頼りなくなりました。まつげも薄くなり、マスカラが塗れなくなって。大きな不安感に襲われたり、身体の節々が痛んだり、不眠にもなりました」 そこでさらに着目したのが“豆”。 「豆類は乳がんの再発リスクを軽減させるという話を聞いたことがあるので、食事に欠かさず取り入れたら、まつげが生えてきたんです。このまま続けて髪にも効果があるといいなと思っています」 とはいえ、豆だけ、カルシウムだけなど、1つのものに偏るのではなく、過不足なく食べることが大事、と念を押す。 「手軽にバランスよく食べるなら、みそ汁がおすすめ。タンパク質に野菜、きのこ、海藻といろいろな具を入れられて簡単。私は前日の余りの刺身もみそ汁に入れています」 こうした自身の経験を生かしたレシピ本の出版も精力的に行っている。 「以前は依頼された仕事をやってきた感じですが、病気を経験してからは、今の私だからこそできることをやろうという意識になりました。がんになる前と後では考え方がまったく変わりました。私らしく、自分を生かせるように、今は生まれ変わった気持ちでいます」 その思いはレシピ本にも反映されている。 「私と同じ悩みを持つ人がいると思うので、自分が闘病で得た経験や知識をよりリアルにレシピにしたいと思うようになりました」