知っているだけでも役立つ!? メンテナンスにまつわる「小ネタ」3本!
「良い火花」を求めるときの「はじめの一歩」はこの作業
プラグ交換する時にはプラグキャップを引き抜くが、そんなときにはプラグキャップとハイテンションコード(プラグコード)の固定状況を確認してみよう。ハイテンションコードからプラグキャップを取り外すと、キャップの内側には「木ネジ」のようなコード接点があるか、確認してみよう(木ネジタイプではないこともある)。実は、この木ネジ部分が折れていたり腐食していて、ハイテンションコードと接続不良になっていることもある。また、明らかに腐食している時には、タテ型の細いブラシを差し込んで、腐食や汚れを擦り落そう。 また、ハイテンションコードの先端を見て、内部ケーブルが黒や緑に腐食変色しているときには、コードの先端を5mmほどニッパでカットして、腐食部分を除去するように心掛けよう。プラグキャップをネジ込み復元する際には、接点に導通グリスや接点復活スプレーケミカルを少量塗布することで、電気の流れが良くなり、後々の接点腐食を防止することもできるようになる。 【POINT】 ポイント1・ブレーキケーブルやクラッチケーブルは、レバーを取り外さなくてもタイコをフリーにすることができる=ケーブル内洗浄やオイル注油が手軽かつ容易に作業可能になる ポイント2・メーターケーブルのリングナットが緩まないように「強く締め付け過ぎ」るのは大間違い。メーター関連ケーブルのリングナットは割れやすいので「指先締め固定」が基本だ ポイント3・接触箇所の不良からプラクの火花が弱いことがある。特に、配線腐食していると着火力は著しく低下してしまう メンテナンス時にクラッチケーブルをフリーにしたくなることがよくある。そんなときには、無駄な作業をすることなく、クラッチケーブルをリリースできる簡単テクニックがあるのをご存じだろうか? ケーブルアジャスターがあるときには、エンジン側、レバーホルダー側(アウターケーブルにアジャスターがあるタイプもある)ともに「最大の遊び」にすると作業性はさらに良くなる。レバー側のアジャスターを緩める時には、インナーケーブル通路とホルダー側のケーブル通路が一致している箇所で保持し、作業に取り掛かると抜き取ったケーブルのインナーの処理が楽になる。ハンドル形状やデザイン上、この作業ができないケースや、やりにくいケースもあるが(セパハンや一文字ハンやコンチハンなどなど)、スペースがある際には、レバーホルダーの向きを変更することで作業が可能になることもあるので覚えておこう。 走行中のメーター指針のブレとメーターケーブルには様々な因果関係がある。ケーブルの取り回し途中に屈曲部分があると、そこが抵抗になってケーブルが傷み、指針が振れてしまうこともある。また、ケーブルが何らかの部品に挟まれてしまい、車体の振動がダイレクトに伝わってしまうことで、メーター指針がブレることもある。社外部品や他機種用のケーブルを取り付けたことで、微妙な寸法違いからメーター自体が壊れてしまうこともあるので注意しよう。特に、インナーケーブルの突き出し量(出っ張り量)には要注意。インナーケーブルが長過ぎたことでメーター内部のケーブルホルダー部を突き上げながら回転作動することで、メーター内部が損傷してしまうケースがあるのだ。ケーブルのリングナットを締め付ける時には、インナーケーブルの突き出し量を必ず確認しよう。四角いインナーケーブル先端をメーターへ差し込んだ時に、アウターケーブルエンドの金具が固定側ネジ先端に触れない時には、インナーの突き出し量が多いと考えられる。状況を確実に把握してから、インナーエンドを短くするなど、加工が必要なこともあるので、社外部品や流用部品を装着するときには要注意だ。 ハイテンションコードは消耗部品のひとつである。しかし、現実問題としてコードの劣化が気になるので「ハイテンコードを交換したい」とか「良品のIGコイルASSYに交換したい」などなどは、即座に行えるものではない。ハイテンコードのコンディションが悪ければ、走行性能に影響が出てしまうので、気になる時にはハイテンコードもしくはIGコイルASSYを交換するのがベストだろう。とはいえ、現状最善を目指す場面もあるので、ここでは、プラグキャップの接続部分を組み直す実例を展開してみた。たったこれだけの作業で性能回復する例が過去に何度もあったので、気になる時には、プラグキャップを取り外し、ハイテンコードエンドのコンディション確認してみよう。また、プラグキャップにマイクロクラックがあり、漏電しているケースもあるので、部品交換の際には、プラグキャップのコンディションも視野に入れて作業進行するのが良い。
たぐちかつみ